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2011年4月

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2011年4月29日 (金)

25日から29日

気になる新聞報道2つ。

●気象庁発表で、311日の本震のあと30分以内に起きた震度5以上の地震の数が2回から8回へと、大幅に修正された。そのうち1回は伊豆で起きたもので、余震ではなくて誘発地震。東京での揺れは、この伊豆の地震によるものもかなりあったようだ。

異常に長く揺れていたのは、いくつかの地震が連続発生して繋がったためだったのだが、伊豆発生のものも含まれていたとは。

●インフルエンザウイルスが変異したとしか思えないということは、2月にここでも書いたけれど、やはりそうだった。そりゃそうだろう。私を含めあれだけ予防接種をした人たちが感染しているのだから、オカシイともっと早く気付くべきだった。新しいワクチンはこの冬間に合うか?

続いてこの1週間に見聞きしたメディアから。

●昭和三陸地震の取材ドキュメント。当時、地震の1週間ほど前から、三陸沖では漁師も気味が悪くなるほどの大漁が続いていたとのこと。

前にも書いたけれど、動物の異常行動は迷信や根拠なしで片付けず、本格的に研究した方が良い。いろいろな大学や機関の地震研のHPも見ているけれど、同じ地質学の中でも、どうやら学閥?による説の違いというものがこの学界にもあるようだし、また自然現象との因果関係を完全に否定してしまっているものもあった。

否定するのではなく、「自分の専門外だから分からない」とするのが正しい姿勢だと思うし、むしろ生物学の分野とも連携していこうという前向きな方向も求められる。古くから言われている地震雲ももしかしたら根拠のあるものかもしれないし(関西のテレビ番組では、強い地磁気から地震雲を作る実験をして、その証明をしたものがあったようだ)、それぞれの学説に固執することなく、メカニズム解明を目指して頂きたい。

地震予知は可能性がゼロに等しく、意味がないからお金を注ぐのをやめるべきという意見もあるようだが、それは短絡的にすぎる。予知の研究の副産物としていろいろなことが分かってきているのは事実だし、精度が落ちたとはいえ緊急地震速報は確実にある程度の命を救うことに繋がる。

●今週号の週刊競馬ブック、読者投稿欄「本質を見極めて」と題された投稿に心底納得。ここ何年かたまに書いてきたが、競馬でもなんでも、「目に見えないもののちから」を軽んじてきたツケが、今回ってきているように思える。

●やはり競馬関係で一番驚いたというか、かねてからその噂はあったのだが、メジロ牧場撤退は残念のひとこと。

私が競馬を知った頃は、メジロアサマ、メジロムサシが大活躍していて、彼らは初めて知った「強い馬」の代表格でもあった。あのペパーミントグリーンの勝負服は、いつも大レースを彩っていた。

借金が無かったというのは不幸中の幸いだったと思うが・・・。また発表された週がメジロの代名詞だった天皇賞で、メジロマックィーンがCMでフィーチュアされているとうのも、寂しさを増幅している。

また、タテヤマでおなじみの辻さんも撤退なさるとのことだ。個人馬主の窮状は本当に深刻で、ますます一極集中は進むばかり。

●国会中継。アジェンダとかスキームとか、うそ寒い横文字が飛び交う。バカか。

●日によって供給可能電力に差があることはもっと周知させるべき。休日なのに29日の消費は90%に迫る時間帯があった。木曜より供給量が500万kw下がっているのがその理由。これを見ると、家庭での消費がいかに大きいかが分かる。休みだから、あるいはこのところ8割程度の消費量だからと油断してしまいがち。

それにしても、本当にこの春は気候の落差が激しすぎる。

●26日は青本締め切り。自分のサイトのメルマガも再開。仕事は幸いにもようやく平常時に戻ってきている。ただこの業界、本当に綱渡りに入ってしまった。

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2011年4月27日 (水)

関東での競馬再開

23日土曜。本当に久々に、目の前で競馬が見られる。しかし天候はあいにくで、しかも南寄りの強風が1日中吹き荒れた。

長崎ちゃんぽんで腹ごしらえして放送席へ。気温もあまり上がらず、8階のラジオ日本ブースは4月下旬とは思えぬ寒さ。上から見ているとよく分かるが、ホームストレッチでは(おそらく向正面でもそうだったろうが)、馬が横風を喰らってふら付くシーンもあった。西風や東風はたまにあるけれど、これだけ強い南風が放送席に吹き込んできたのは、あまり記憶にない。なお芝は内目が深くて、外目が少し短めになっているように映った。

この開催は、789Rの解説。滅多にないことなので自慢させてもらうが、解説担当して2度目の3連勝を達成。7Rは9番人気アイアンデューク本命で2着、8Rはケチのつけようのない圧倒的な人気馬リアルディールから入って無難に的中、9Rは予想コーナーの時点で単勝11倍あったショウナンバーズから単勝馬連ワイド3連単勝負で固め打ち。しかし結局単勝が8倍、馬連が24倍から18倍まで下がってしまったのは参った。

9R終了後は下に降りて、仕事で来ていたいつもの編集担当H氏、フリー編集N氏、馬券少年Yくんらと合流。メインのフローラSはバウンシーチューンとピュアブリーゼでデキた!と思ったが、勝手にバテると思って見ていたマイネソルシエールが最内で止まらない。いくら内枠有利の馬場でもあれは買えない。

移動の電車内で聞いた12Rは、本命にするか対抗にするか迷って対抗にしてしまったソルモンターレが2着、大穴警戒のメジロティモンが勝って大荒れとなった。晴れのち雨という感じの(馬券が)1日。

節電対策もできる限り頑張っていたように思う。ただ忌まわしきエアタオルは稼働していた。

メインレース終了後にお台場へ移動しフジテレビ。話題は専らWIN5。放送時間直前ですでに5000万円売れているとのこと。売り上げの15%が義捐金に回されるというのはナイスアイディアだ。

 

 終了後は小林氏、たくみ氏と新宿駅まで同行。どういう経緯でそういう話になったか忘れたが、某所にある夢の国再開で大人があんなに喜んでいる様が奇妙という話。少なくとも私らが子供のころ、あの「富士額のネズミ」(©西原理恵子)は、それほど人気は無かった。あの国については完全に治外法権になっているのはヘンな感じ。ちなみに私はあの国に一度も近づいたことはない。

 なお5月の予想TVは、NHKマイルCとオークスの週に出る予定。

 日曜は11時から東京競馬場へ。この日は馬券不調。だが引き続き風は強かったものの好天の下で、眼前で競馬を見られる喜びの方がまさった。気分は上々。

 WIN5は14600円投資。最初の橘Sは、ラスト1Fで何も狙った馬がいないので諦めかけていたら、ツルマルレオンがゴール寸前で飛び込んできてくれていきなり高揚したが、2つ目のメトロポリタンで早くも終了。ケイアイドウソジンは距離もたないと思ったのだが・・・。ちなみに3つ目の新潟メイン魚沼特別は的中、アンタレスSはゴルトブリッツを入れず不的中、皐月賞は的中。うーん、近いようで遠い5連勝だったか。

 皐月賞は、重視したノーザンリバーが好枠を全く活かせず、シンガリ付近に位置したのを見て早々に諦める。対抗ダノンミルも覇気のない走り。結局スプリングS勝ち馬と弥生賞勝ち馬で決まり、混戦と騒がれた時ほど堅く決まるという傾向をなぞった結果に。

 それにしてもオルフェーヴルがこんなに人気ないとは。世評の逆を突くのが馬券の真理なのだから、巷間広まっていた左回り不得手説を真っ向から否定していた私がなぜここから入らなかったかと、悔やんでも後の祭り。まあ、枠が外目だったのと脚質を嫌って△にしてしまったのだが・・・。

 終わっていろいろ見直すと、時計的には風のこともあり価値の判断がしづらい。ただ一応は良馬場で、603603なのに勝ち馬が後ろを3馬身切って差してしまったのだから、勝った馬以外は弱かった・・・というかそれほど強くないと考えるのが妥当のように思える。

以前ここで「好走が続けられない虚弱体質の牡馬世代、雑草的な逞しさを持った馬を狙いたい」と書いておきながら、数少ない安定して走れている2頭を重視できなかったのだから猛省するしかない。

 終了後は、なんとWIN5的中663票のうちの1票を持っていたライターH氏(この日は同行してなかったが)から、「奢り引き受けます」の連絡があったので、皆で甘える。競馬再開の嬉しさのあまり(いや他人の金だから?)、私にしては少し飲みすぎて体調を一時的に崩したが、久々に、本当に久々に楽しいという感情の湧いた1日だった。皐月賞のファンファーレが府中の森に響き渡った時は、さすがに心に来るものがあった。

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2011年4月22日 (金)

4月18日~22日

●これを書いているのは金曜夕方。東京は月曜に一度芝刈り。発表通りなら、洋芝の丈はそれほど短くはないことになるが、実際見てみないと何とも。

今年は皐月賞本番というより、ダービー出走への賞金面のハードルや優先枠が去年から縮んだことも相まって、4着までにダービーの優先出走権が与えられる「ダービートライアル・皐月賞」という側面が強いような気がする。

●東京の皐月賞はヤエノムテキ以来だが、開幕週の東京での皐月賞となると、厩務員ストで延びた1976年の皐月賞以来35年ぶり。思えばトウショウボーイがテンポイントを5馬身ちぎったあの歴史的なレースだった。新馬戦、つくし賞、れんげ賞と無敗のまま走っての4連勝目。つくし賞がダートだったことは、今これを書く上で記録を見直して初めて知った。トウショウボーイの大ファンだったのに、記憶とは風化するものだ。

●前回触れたJRAのCFは、概ね評判が良いようだが、パターンが1つしかないのはいかがなものか?あれなら制作費はほとんど掛かってないようなものなのだから、他の皐月賞馬であともう34パターン作ってほしかった。

ブルボンにしても、皐月賞までのプロフィールをもう少し押し込むべき。無敗だったことと、逃げまくるキャラの馬だったことの紹介は落としてはいけないところ。直線に入ってきたレース映像にロゴが丸被りなのも・・・・。次回はさらに良いものを作ってほしい。

ヴィクトワールピサが脚部不安で香港回避も、軽症で夏は英国遠征とか。ダノンシャンティは長期休養。

●このところ本を読む機会が多い。面白かったのは故・佐野洋子と西原理恵子、リリーフランキーの対談集「人生のきほん」、ECDのエッセイ集「何もしないでいきてらんねえ」、非常階段ヒストリー「キングオブノイズ」etc.

競馬関係書籍では、お世話になっているベストセラーズH氏が担当した、ベストセラーズ競馬選書・井上オークスさんの「いま、賭けにゆきます」。私の方が一回り以上年上なので、上から目線の感想になってしまうのは許してもらいたい。

女流の無頼派作家や漫画家は、他の分野でもそうだけどとかく悲壮感や、無理やり自分を落としている感じが痛々しく見えることがままあるのだが、この人は本質的にギャンブラーだから負けっぷりも勝ちっぷりも爽快なのと、どこかで品が良いので、生臭いギャンブル日記がエンタテイメントとして成立している。また男性ギャンブルライターのように、ひと旗挙げてやろうという無駄な意気込みや姑息さが無いのもいい。

そんな理屈はともかく、とにかく笑えるのがいいのだが。

もう1冊紹介したいのは、NHK出版から出た、吉沢譲治さんの「血のジレンマ」。サンデー系飽和後の日本競馬と、社台寡占状況への憂慮をテーマに書かれた「格差とマンネリズムの正体」へ迫ろうとしている、こちらは読み応え十分の力作、必読の一冊。なお東大の本村先生が推薦文を寄せられている。

●ほとんど言いがかりのようなことを書くが、どうにも聞いていて気になって仕方ないのは、「被災地の人へ元気を与える」という言い回しだ。もちろん悪気がないのは百も承知だけれど、「与える」という言葉は施しと同義の、上からの物言いに聞こえてならない。

被災地の人たちが『私たちに元気を与えて下さい』というのは良いと思うが、スポーツ選手や芸能人がこれを言うのを聞くたびに引っ掛かりを思える。中には、「与える」という言葉を避けているのが明らかに分かって、「元気を送る」とか「勇気を感じてもらえれば」という言い回しに直している人もいるので、私と同じように感じている人も決して少なくはなさそうだが。

重箱の隅の隅のようなことだけれど、個人的にはこういう所に気を回せるような人の方が好ましいと思える。

●近所でも、知っている範囲で2家族ほど、東京から地方へ震災後突然引っ越して行った人がいる。外国人店員や英語教師にも帰国してしまった人がいる。しかし彼らの怯えも当然のこと。命にかかわることへの恐怖に腹を括れない人を責めることはできない。

風評被害という言葉もすっかり浸透しているけれど、今回の野菜や魚などに関する非被災地の対応は、単に風評被害という言葉だけでは解釈できない問題だろう。これだけ風評被害という言葉が報道されているのだから、そんなことは承知の上で拒否をしているという点にもっと目を向けるべきだ。原因が原因だけに、本能的に自分の命を脅かすものへの過剰反応が下敷きになっている分、ただの風評よりも深刻で根深いと思う。風評がどうこうという単純なものではない。

●復興税もアイデアの1つだけど、消費をこれ以上冷やしてはいけない。所得水準の低い人にしわ寄せがいかないようにすべき。累進課税の率を一時的に挙げてそれを回す、復興国債で賄う、そして何度も書くが宗教法人に完全課税。これでずいぶん違うはずだ。

●テレビは、相変わらず食べ物を扱えばいいと思っている。でなければ芸人を雛段に並べておけばいいと思っている。本当に民放の多くの番組は白痴化(下らないという意味ではない。無思考、パクリ横行、無知丸出しの番組作りを指す)している。

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2011年4月19日 (火)

4月16,17日

先週は原稿づけの毎日。土曜はラジオ日本の中継の出演が休みだったので、東京競馬場に立ち寄って、久々に穴場で馬券を買ってからフジテレビへ向かおうと思ったが、結局昼間に仕事をダラダラしてしまい、直接お台場へ。馬券は散々だった。

この10年来、災害を想定してどこに行くにもラジオと乾電池は持ち歩いていたのだが、それに加えて大震災後はコンパスやペンライト、乾電池による携帯充電器、ホイッスルなどもスタンバイしている。荷物はやや増えるが仕方ない。

やや暑めの気候で、山手線にはきつめの冷房が。ノド元過ぎればではないのだが、いくら計画停電していないからといって、そして休日でピークにはほど遠いといっても、平時からの心がけをしないと。さすがにこの冷房は強すぎた。

商店でも、夜ならともかく、日向の外で意味のない電飾をつけている(日差しで全く効果がない)ところがいくつかあった。これを書いている19日の夜10時時点、気温が下がったこともあって、久しぶりに消費電力が90%に達している。やや脇が甘くなってきている。

プロ野球シーズン開幕、フジの楽屋でも毎年のことだが野球話復活。それにしても今年は、雨降って地固まるではないが、セパ同時開幕ができて本当に良かった。サッカーのチャリティマッチが賞賛されていた頃は、ナベツネをはじめとした因業ジジイどものゴタゴタばかりが目立って肩身の狭かったプロ野球だが、楽天の嶋選手の感動的なスピーチから風向きが変わった。新井もよく頑張った。

日曜は私用をこなし、午後から東京競馬場で1カ月ぶりに現金で馬券購入。やや掛かり気味、抑えるのに苦労する(苦笑)。途中までは土曜の負けを取り返しかけていたが、10R以降全く当たらず。

マイラーズCは小牧の絶妙の逃げに脱帽。ラスト3F目に10秒台とは・・・・。ただ6着以下の騎手には敢闘精神がまるで感じられず、猛省してもらいたい。あんな気の抜けたレースを、注目度の高い重賞で見せてはダメだ。

この日集まった連中の一人、お兄さんが被災されている宮城出身のYくん。芸能人が被災地に来るのはいいけれど、事前告知して取材陣を引き連れてくるのではなく、プライベートで来てくれないと、被災地が大渋滞に見舞われ、瓦礫運びや医療の妨げになって現地のスタッフが困っているという話。芸能人がどこそこの避難所にやってくるという噂を、ツイッタ―などで聞きつけて、車でやってきた遠方の被災者や、果ては被災地以外からの見物人、東京からの取材陣などで、限られた道が一杯になっている地域があるという。

被災地以外からの見物人は言語道断としても、芸能人を見ることで被災者が元気づけられるという側面はあるので、兼ね合いが難しいところではあるのだけれど・・・・。

この点においても、江頭は偉大だった(笑)。

 節電どうこうと言いながら、東京競馬場は強い冷房が掛かっていて震えた。同行のH氏はニットのジャケットを手放せず、もともと冷房に弱い私も薄手のコートをずっと着用していた。電車でも、車両や路線によって全く気にならないところもあるから、担当者の心がけ1つ。東京競馬場は、担当者の意識が低い。

さらに残念なのは、トイレに設置されている、あのエアタオルが堂々と稼働していたこと。公共機関、大きなデパートや病院や放送局などに、いつの間にか入り込んでいるこのエアタオル。しかしフジテレビをはじめほとんどの場所では、現在エアタオルを使用禁止にしている。常識的には当然のことだろう。JRAも今週から即刻禁止にすべき。第一、節電がどうこうでなくても、てめえが洗った手くらいてめえのハンカチで拭けっていう話。持ってないならズボンで拭け。全くもって存在価値の分からない製品である。

福島原発停止後の、現在の東電の供給電力量は、バブルの時期とほぼ同じだそうだが、こういう無駄な電気製品やシステムを売り込んだことも、バブル以降の電力消費を徒らに増やした元凶と言える。

 同行していた夏目氏が指摘して、自分でも確かめに行って思ったのだが、通常は連続開催なら開幕週は芝を長めにしている東京競馬場が、芝を短く刈り揃えていて驚いた。皐月賞が開幕週になったことで、時計を欲しているのだろうか?この中間、さらに刈ってきたら高速馬場必至だが、週末の雨予報が果たしてどう働くか。雨を見越して中間芝刈りをしないことも想定され、当日まで予測ができない。

このまま短めで内外差がなく、雨も大したことなければ、フラットなコンディションなのだから距離が得になる分、当然内が有利となる。枠順が大きく結果を左右する皐月賞となりそうだ。

 JRAの皐月賞PRのCFが、初めて過去のレースアーカイブを用いたものになった。かねてから力説してきたことが実現したが、同じことを考えていた人が内部にも、またマスコミにも少なくなかったことの証明だろう。細かいことを言えばもうひと演出できると思うけれど、まずは高評価。ミホノブルボンのスピード感と鎧のような筋肉を、今少しフィーチュアできればなお良いのだが。

追伸(19日23時)

開幕の楽天戦の嶋のホームランといい、

今日の阪神戦、兄がヒットでつないで弟がサヨナラ打を決めた新井兄弟といい、

野球はドラマチック。

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2011年4月15日 (金)

今こそ見えないものの大切さを

●以前からここで、近年は「みえないもの」の重要性が増してきているということを書いてきたが、はからずも今回の大震災で、それがいろいろな形で顕在化して、むしろ「みえるもの」になってきた気がする。

思いやる、想像する、直観&直感する・・・・そんな心のありようが、今後長い間、問われ続ける時代になってきた。明らかに311は日本にとって大きな曲がり角である。

いろいろな形で、と書いたが、その中で今、全ての人々が早急に持たなくてはいけないのは「災害哲学」というか、「震災哲学」のようなものであろう。

自分なりにそれを持つ上で、最も興味深く読めて、かつ助けとなったのが、中公新書刊の「災害の日本史」。

京都大学防災研究所教授の寒川旭さんの著書で07年末に初版が出されている。綿密な地層調査、ボーリング調査といった科学と、古文書や文献をあたっての人文学的見地を縦軸横軸で絡めながら、縄文時代から07年の中越沖地震までの主な巨大地震を分析。時系列順にその規模と被害程度、当時の人々の処し方を解説した本である。

これを読むと、いかに先日の大震災を「想定外」という言葉で済ませることが恥ずかしいことなのか、そして日本に生まれながらいかに地震に無知だったかという怒りを痛感する。

それと同時に、巨大地震が1つ起きれば、そのあとどれだけ不安定な状態が続くものなのか、またいかに同じ地域で同じパターンの大地震が定期的に繰り返して発生し、そこに住む人々が被災してきたのかを、いやというほど突きつけられるし、そのたびに復興してきたことの偉大さもまた思い知らされる(もちろん今とは比べ物にならないほど暮らしもシンプルだったので、壊れやすい半面また復興もしやすかったのは確かなのだが)。

日本中どこでも、巨大地震の洗礼を浴び続けてきており、安心できる場所など皆無であることも改めて分かる。

読むと、あまりの地震災害の多さに落ち込む人もいるだろうが、私の場合はむしろ、先ほども書いたように開き直りと、それから覚悟をもって、心と物の準備を積極的にできるようになった。

個々の地震の記述に増して興味深かったのは、鴨長明が方丈記の中で、1185年の京都の大地震(堅田断層が動いた11世紀末から13世紀頭にかけて、京都では地震が頻発した。この時は余震が3カ月収まらなかったと推測されている)の10年後くらいの記述として、「庶民はあれだけの震災に遭って、当時はこの世の虚しさなどを寄ると触ると口にして、心の濁りも地震をきっかけに薄らぐかと思えたが、月日が重なると誰の口にも上らなくなり、恐怖を忘れてしまったかのようだ」と嘆いている、と書かれていたこと。また平安初期にも、いわゆる風評被害があったことを初めて知った。

 人間というものは、忘れることで立ち直ることはできるが、忘れることで同じ轍を踏むという愚もしでかす。また、自分がそこまでの生涯で経験したことからしか、行動や発想の基にはできないものでもある。しかし歴史を知ることで、自分が経験していないことを知り、そこから想像することで、行動や発想の基を広げることができるのだ。現場主義、経験主義を絶対視することの危険さも、歴史は教えてくれる。

災害においても、まさに今こそこの過去に学ぶ態度が必須だと考える。「1000年に一度の地震」を言い訳にしてはいけない。平安時代の貞観大地震だけでなく、明治や昭和にも、三陸地方には今回に近いくらいの大津波が襲っているし、岩手から福島まで至る巨大な震源域を伴う地震の可能性も、実は学者からは指摘されていた。(それを無視したのは政府と東電ね)

よければ一人でも多くの人に読んでもらいたい本である。

●歴史と言えば、今回の大震災の津波を逃れた老人たちの興味深い話がNHKで報道されていた。「地震の揺れの直後、井戸からゴーという音が聞こえてきて、水が引いて汲めなくなった。明治の三陸地震を経験した祖母から、こういう時は津波が来ると子供時代聞いたことがあったので、すぐに逃げて助かった。祖母が私を救ってくれた」

「浜の波打ち際を歩いていたら、いつもは堅い波打ち際が、ぐちゃぐちゃと柔らかくなっていた。祖母から、波打ち際が緩んだら地震が来るから海のそばを離れろと聞いていたので、仲間に声をかけて家へ戻った。その直後に地震が来た。家にいたから逃げ切れた。あのまま海に居たら死んでいた。」

口伝された歴史の教訓が、命を救った例である。歴史は繰り返される。

7日付の読売新聞朝刊には、「今回の震源域の東側の海底で歪みが次第に強くなってきており、早ければ1カ月以内にМ8程度の、余震とは違う誘発地震が起きる可能性がある」と京都大学地震研が発表した・・・・という報道があった。また東北大地震研も似たような調査結果をまとめているという報道もあった。

揺れ自体は、震源が少し遠ざかるのと、マグニチュードが落ちる分、大震災時よりはマシになるようだが、メカニズムが昭和三陸地震と似ていて、最悪また10m程度の津波が東北地方にやってくる恐れすらあるそうだ。

こういう内容だと、恐怖心を煽るとして放送メディアでは積極的には取り上げないが、起きなければそれでいいわけだし、起きた時を想定して備えておくことは絶対に必要だ。

日本で生活する以上は、ただ地震を恐れるだけでなく、どう対応するかということに頭を使った方がいい。どうやって身を守り、人を助けるか。今回の地震の犠牲を無駄にしないためにも、全ての日本人が他人事とせずに、わが身と家族を守るための努力と知恵を絞るべきだ。

本当は国がもっと謙虚に自然と相対して、その努力と知恵を出すことを援助する手を打つべきなのだが・・・。

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2011年4月14日 (木)

4月9日・10日の行状

9日は小雨。午前中は私用を済ませ、11時半頃に東府中からラジオ日本へ向かう。

麻布台という場所柄、外国人と何組かすれ違う。日本から逃げ出している外国人(責めることはできないけれど)も多い中、日本に留まるどころか、放射能を恐れず小雨でも傘を差さず半袖で歩いている姿を見ると、日本に居てくれてありがとうと、思わず感謝したくなる(苦笑)。

控室でしばらくレース観戦。小倉は発表ではローラーがけが無いはずなのに、前のローラー週同様内が残る。相当に固めていたようだ。

10Rから予想と解説を担当。大阪ハンブルクCはどうやってもキングトップガンが買えない。11Rの阪神牝馬Sは4頭の馬連ボックスが奏功して何とか的中。ただそのボックスから唯一着外に零れたのが本命のサングレアズールではカッコ悪い。最終のニュージーランドTはあんなスローになるとは・・・。手も足も出ず。

なお、伏竜Sが無くなったことでこちらへやむを得ず回ってきたダート馬が23頭出てきていたが、それについて触れていたのは、私の見た限りでは東京スポーツだけだった。

なおラジオ日本の競馬中継、来週からは関東圏ではラジコでも聞いていただけることになった。私の声ごとき、パソコンから聞いたところで何にもならないが、レース実況がクリアになるのは朗報だと思う。

また今週16日の放送は、清水成駿さんが担当なさり私はお休み。私の次の出番は東京開幕週。この2回東京開催は、土曜前半(13時~1440分くらい)の担当へ移ります。

終了後はお台場へ移動して競馬予想TV。某氏から「水上さんは都知事選に入れたい人がいなくて困ってるでしょ?」と言われる。図星。まあ不在者投票でこの時点ではもう済ませていたのだが、とにかくこの時期に選挙とは間が悪すぎるし、都知事選も論戦が高まる前に終わってしまった感じ。

帰宅は新宿まで小林氏と。小林氏も中年に片足突っ込んでいるので、話題はお互い成人病のことばかり(苦笑)。

日曜は、東京競馬場での発売が再開されなかったので、結局自宅で1日パソコンの前で購入。小倉3Rのコスモコナン(サイトの特注穴馬推奨にしていた)のおかげで1日楽に打てた。小倉8Rはサクラボールドが届いてたら相当太い馬券になっていたのだが・・・安目の馬連に留まってしまった。

白鷺特別は消したドリームセーリングに粘られて悶絶、忘れな草賞もあと少しでエリンコートーオースミマイカで決まって高配当となるところが、オースミがひと息届かずにこれまた悶絶。やや暗雲が立ち込めるが・・・・。

桜花賞は予想TVで購入した馬単と3連単、そして相当の自信があったマルセリーナに、気配を見てさらに自信を深めて単勝と3連単を買い足し、荒れなかった割にはソコソコのリターンを掴めてひと安心。期待したもう1頭のデルマドゥルガーは、馬体を大きく減らしてしまった。

スピードリッパー、ダンスファンタジアは、本質的には今後1400m以下にシフトしていくのかもしれない。この2頭の特性はスピードに振れている。

ホエールキャプチャもこれ以上距離が延びたら良いタイプとは思えない。オークスは面白いレースになりそうだ。

馬券は小倉最終で締めて、この日は久々に納得の結果となった。

夜の焦点は統一地方選。首長選は、多くの所で現職勝利。神奈川以外は、つまりは現状容認となったわけだが、これは大震災直後ということで国民の気持ちが変革よりも現状維持を選びたいという消極的なムードとなったことと、現職の対立軸の多くが共産党になっていて、共産党か現職かという選択の地区が多かったこともあるだろう。共産支持者には悪いが、日本では共産党が広汎に認められて政権の中枢に入ることは難しい。

結果的に原発のある地域の大半で推進派の現職が多く勝つことになったけれど、これは別に国民が、そこを争点に選んで積極的に支持したというわけではないと思う(東京の場合は意外と無知も理由になっているのかもしれないが)。

 夜、以前仕事で世話になっていた伊吹雅也氏の新刊「WIN5ほど儲かる馬券はない!!」(白夜書房)を読了。それにしても、JRAも運が悪かった。この時期に新馬券ではPRがほとんどできなかった。とはいえ、3連単を多額買う人たちの中には、3連単よりこっちの方が大きな見返りを期待できると盛り上がっている猛者もいるやに聞くけれど・・・。

個人的には、当たりやすい馬券で資金を回すことこそ大事だという持論で、新馬券についてはほぼ無視するつもりだったが、この本を読んだことと、それから後日売り上げの15%を義捐金に回すという発表があって、ならば買い目を絞ってクジ感覚で参加してみようかという気になった。全く道しるべのない中で、客観的な視点を貫いて買い方を選択する助け(こう買うべきと押し付けない)を提示してくれたという意味で、この本はありがたいと思う。

なお13日に発売された最強の法則5月号では、高名な予想家に交じって、私がこの新型馬券にシミュレーションで挑戦した結果が掲載されている。ブザマな結果になって否定的な見解を述べているので、私の分については読んで笑っていただきたい。

JRAは3月末をもって、大半のラジオからあらかた撤退してしまった。こういうところのお金を削ってはいけない。失くすのではなく減らしてでも続行しないと。こういう時期だからこそ広報はシッカリやるべき。

またこの号では、皐月賞と天皇賞の見解を書かせてもらっている。ぜひご一読を。

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2011年4月14日 (木)

事務局からのお知らせです

事務局Nです。本日は水上さんとは直接関係のないお知らせです。

水上さんもライティングされている月刊誌「競馬最強の法則」で
連載されている小宮城さんのオーナー・サイダー「ルールの闇」が
先週出版されました。それにともないイベントも行なっています。

http://sl65amg.blog32.fc2.com/

詳しくは小宮氏のブログをご覧ください。

事務局Nがライティングや構成などを担当しているため、水上さんの
ブログではありますが、了承のもと、告知させていただきました。

ルールの闇では、馬主の傾向をデータを元に再検証しています。
また、現行の出馬投票に関するルールの裏で起きていること、
陣営の勝負調教の味方など、業界内部からの視点で書かれたものです。

ご興味のある方はご一読ください。

よろしくお願い申し上げます。

また、来週早々に水上さん関係のお知らせを告知させていただきます!
(もうすぐメルマガ復活など)

事務局N

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2011年4月11日 (月)

ここしばらくで考えたこと・2

●先日、最強編集部の某氏と電話で話をした時に話題になったのだが、どうしてJRAは今の状況に対応したCFを流さないのか、ということ。

競馬の社会貢献について無知な人に「馬券なんか買う金あったら募金しろ」などと非難されないためにも(現にいたらしい)、こういう時こそ、「最後の10完歩」の映像の下に、被災地支援競走の意義と告知を流すくらいのCFを公開するべきだと思う。

別にこの機に乗じて認知を高めようと思われるんじゃないか、免罪符を撒いてると思われるんじゃないか・・・・などと恐れているのなら愚かしいこと。恥じることなく堂々と支援競馬をPRすべき。買う買わないはその先の、個々人の判断だ。

むしろ競馬マスコミの方が盛んにその意義をアピールして、当のJRA本体が何も言ってないというのはオカシイ。

●今日のTBSラジオで聞いた話。東北学院高校の生徒が中心となって行った聞き取り調査を基に、どこの避難所にどんな物資が不足しているかという情報を集積したサイトが作成されたそうだ。

http://311help.com/ 「必要物資・支援要求マップ」。これは大変重宝すると思う。

公的機関がこういうものを作らず、被災地の高校生たちが作ったというあたりに驚きと敬意とやり切れない思いを抱くが、なにはともあれ効率的な救援が進む上で大きな助けになると思う。1人でも多くの人に知ってほしい。

●以前、義捐金の即効性について書いたことがあるが、やっと同じ危惧をする声が高まってきているようだ。

私は前に書いたNPO法人(郵便振替の方がより即効性がありそう、その場合は通信欄に東日本大震災と記入が必要)と、赤十字の両方に送るようにしているが、さらに効率的にするには、大きな災害が起きたら、公的機関が目的別に口座を振り分けるというのも、支援において合理的なのではないかとふと思った。

従来の総合的な募金、そして食料用、燃料用、医療用、仮設住居用などと振込先を分けて募金を募る。義捐金の出金は現場で資格を持った者が即時に運用できるようにシステムを整える。出金ニーズと入金状況が合わなければ、総合募金から融通するetc.

もちろん、実際問題としてはいろいろクリアすべき問題があるだろうが、1つの方向としてはそう間違ってはいないと思う。

●福島、茨城を中心に、また大きな余震。今度は同じ震源で、異常に繰り返して起きているのが妙ではある。もしかしたら、311の余震というより、誘発された別の地震とその余震か、あるいは、311でできた巨大断層の地盤の割れ残りが、福島で少しずつ割れていると考えた方が自然なような気もしている。

俄かに空が暗くなって雷雨となった直後のこの連続地震、科学の発達していない時代であれば、きっと神の怒りと感じるだろうし、それも分かるような気がするほど不気味だ。この瞬間的な暴風雨?で東京の桜もあらかた散ってしまった。

●それにしても、昨日が1日で7回まで地震が減りながら、今日は23時半の段階で77回(311の本震直後と近い頻度)、しかも福島の震度6が来るまでに35回と、その時点でも前日に比べて異様に急増していた。

思うに、気象庁は、この急増ぶりを受けて、午後早めに何らかの見解を出すべきではなかったか。誰が見てもこれだけ急に増えたのはオカシイのだから・・・・。せめて、「今日は余震活動が活発になってきたので、警戒して下さい」という程度でもよかったと思う。それで実際に来なくてもいいではないか。警戒に越したことはない。余震が減って緩んだ時が一番怖いのだ。その警戒があれば、何らかの被害は減らせたかもしれないではないか。パニックを恐れているのかもしれないが、風評と警告をごちゃまぜにしてはいけない。

●放射能にしてもそうだが、説明が足らない、説明をしない、説明から逃げるという態度が、逆効果を生んでより疑心暗鬼を生むということを、いい加減に情報を持っている側が悟ってくれないと、取り返しがつかないことになる。もちろん、情報を持つということは、その情報を隠匿、小出しにすることで他者をコントロールし、情報を持たない者を掌握する可能性があり、それこそが為政者側の権力遂行の助けとなるわけだが、これだけの非常事態に遭っても目を覚まさないのでは本当に救いようがない。

●福島、岩手は競馬熱が盛んな土地柄で、馬券の売り上げのみならず、競馬雑誌、新聞の売り上げも支えてくれている。それだけに競馬界全体へのダメージは大きい。この分ではまず、夏の福島開催も難しいだろう。

個人的には福島は最も好きな競馬場であり、馬券の相性も良いだけに、当分の間レースが見られないのはとにかく残念だが、現地に住まわれる方にとってはそれどころではない、気楽な事を言うなということ。

戦災時を除けば、日本競馬にとっても最大の試練、危機であることは間違いなく、サークル一丸で肝に銘じていく必要がある。

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2011年4月 8日 (金)

ここしばらく考えたこと・その1

●書き忘れていたこと含め、ズラズラと脈絡なく、アトランダムに書いていきます。

311日の地震では、椅子に座っていたら尻をコツコツ突かれるような変な振動を感じ、なんか来たなと思って、ドアへ歩き出している内にドンドン大きくなっていった。あれから座っていても、実際には揺れが来ていないのに、尻が突かれているような気がして落ち着かなかったが、それがようやく収まったと思ったらまた大きな余震。

地震そのものについては、個人的には割り切りも開き直りも、ある程度できているのだけど、問題は身内の安全を守れるかどうかということへの不安である。

あと弊害としては、入浴中に何度か緊急地震速報が鳴ったため、落ち着いて風呂に浸かれなくなってしまったことだ(苦笑)。

●被災地の模様を映し出した映像で、何が印象的だったかといえば、子供たちの逞しさに尽きる。特に、父親の行方が知れないまま、中学2年生の男の子が、「多分父親がいてもそうしろと言うだろうから」とボランティアに携わる姿には、神々しさすら感じた。他にも親や兄弟を失い、筆舌に尽くし難い悲劇に見舞われた子供たちは多いのだが、幼さゆえに心の再生能力もまた凄いものがあり、笑顔さえ浮かべている時もあるのを見れば、おそらく人間というのはどんな災禍にあっても、こうして立ち直ってきたのだろうという、希望と諦観の入り混じった不思議と穏やかな気持ちにさせられた。

なお震災孤児の支援に対象を絞った募金は、あしなが育英会で受け付けているとのこと。詳しくはググってください。

●西原理恵子が震災後のweb上の連載に、子供の頃近所にいた自衛隊員の「おっちゃん」との思い出を描いたものがあり、そのおっちゃんが「わしら税金ドロボーと言われとるうちが花なんよ わしらがありがとうとお礼を言われるような世の中になったらえらいこっちゃ」と笑っていた、というセリフがあった。染みた。

●あれだけ叩かれてスタートした茨城空港が、今回、初期の避難所として重要な役割を果たしたのは皮肉なものだった。災害時を思えば、無駄なハコモノもあながち否定できないということか。

●いつも競馬を一緒させてもらっているY君。某一流会社勤務ながら、最強の法則で「若き血統馬券師」として取り上げられたことがある彼は宮城県出身。今回実家は被災してしまったが、皆さん無事だったとのこと。教員をしているお兄さんとはなかなか連絡が取れなかったそうだが、テレビで避難所からの中継に映っている姿を偶然見かけて、無事を確認したとのこと。勤務先の学校は津波で流され、今後の見通しも立たないまま、連日ボランティアとして獅子奮迅の活躍をなさっているそうだ。

Y君自身も、もしかしたら復旧の仕事で近い内に現地に入る可能性があるかもしれないとのこと。

●復興税の創設もアリだとは思うが、この際こそ宗教法人の全ての収入に課税し、その税収を全額復興に回してもらいたい。人を救うことが宗教の根幹なのだから、当然反対はないはず。本当に人を救うための宗教ならば。

●日本マクドナルドの義捐金が1億円。別に金額の多寡ではなく気持ちの問題だとは思うけれど・・・。それならむしろ1億円分のハンバーガーを配りに行ってやったら、と思った。おにぎりに小さな菓子パンだけの食事が続いている人たちには、おそらくとても嬉しい差し入れになると思うのだけど。

●全く報道されていないけれど首都圏の民放ラジオ局も、震災直後から地味に気の利いた支援をしている。局からの供出分に加え、リスナーからの募金ならぬ募小型ラジオを、電池やイヤホンとセットで情報に乏しい地域の人たちに配布している。

●自然を克服、あるいはコントロールするのではなく、自然に対応していくことこそが人間の地球上での本来の姿であることに、今こそ気づくべきである。

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2011年4月 8日 (金)

まだまだ気が抜けません

M7.4、関東大震災に近いエネルギーを持つ大きな余震がありましたが、皆さんご無事でしょうか?

少し余震が減ってきて油断した頃にこうした大きな揺れが来るのは皮肉ですが、巨大地震時には決して珍しくないそうです。スマトラの巨大地震の時の最大余震と、ほぼ同じ日数経過とのこと。

東北では津波警報が出て、避難勧告、停電という状況、そして女川原発では、運転停止中とはいえ3系統のうち2つの電源が止まっているそうです(24時半現在→その後警報注意報解除)。

以前、ラジオで防災特番を作った時(私ひとりではなく当時の仲間たちと作ったのですが)、今回の震災でもコメンテイターとして各所で尽力なさっている、街づくり計画研究所の渡辺実さんがおっしゃっておられたのですが、とにかくパニックにならないことが大事で、パニックを回避するだけで、災害時の生存率は大きく向上するとのこと。慌てずに、しかし迅速に行動しましょう。

今、大きな余震があったことで紹介を思いついた、参考になると思われるリンク先を2つ。

1つは東京大学地震研究所佐藤教授のインタビュー

http://diamond.jp/articles/-/11513

そして「安全第一、安心は二番」と題された赤木智弘さんのコラム

http://news.livedoor.com/article/detail/5473588/

正しく恐れるために必要な思考域だと思います。

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2011年4月 6日 (水)

4月2,3日の行状

 42日土曜。ラジオ日本出演のため11時前に家を出る。渋谷から恵比寿へ出て一度改札を抜け、昼食。人出はそこそこあるが、ファストフードや喫茶店ばかりが賑わっており、飯屋は閑散としていた。ランチタイムの寿司屋に入る。客は私1人だけ。板前さんはとにかく地震による自粛ムードと、それから汚染水投棄による魚への忌避感情を嘆いていた。

 

 この週から携帯での馬券発売が再開。駅の売店ではまだ全てとはいかないが、コンビニを中心に関東圏に3週ぶりに新聞が並んだ。だがこれまでの販売中止で、関東の専門紙の窮状がピークに達している。雑誌をはじめとする競馬マスコミも未曾有の苦境。おまけに開催の先行きが不安定なために紙面構成が立たず、さらに紙とインクの調達も、地震の被害でままならなくなっている。何とかファンに救っていただくしかない。そういえばテレビ業界も、テープの倉庫が地震でやられて需要が逼迫しているらしい。

 

 ラジオ日本では阪神10~12Rを解説&展望。「阪神外回りではキングカメハメハ」と力説しておきながら、外回りの11Rと12Rで本命にしなかった方のキングカメハメハが快勝するという間抜けな始末。

 中山牝馬Sは、あれほど「牝馬の3週延期はコンディション面での心配があり、当初登録していた馬の再エントリー、特に関西馬は危険」とか言っておきながら・・・・。新規登録からキンカメ産駒ということで軸にしていたカウアイレーンは、イレコミ酷く、出遅れた上に大外回らされて終わり。新規登録馬が12着、しかも勝ったのはもう1頭のキンカメ産駒も、私は距離を嫌ってしまったレディアルバローザ。再エントリー組の3着馬コスモネモシンは全く考えていなかった。

 番組を終えて、すぐ近くの飯倉の交差点で信号待ちをしていたら、足元が下から小刻みに突き上げられるような感覚。下を地下鉄が通っているのかと思ったが、信号機もフラフラ揺れている。久々に大きめの余震がきた。思わず、先端のひん曲がった東京タワーを見上げる。

 幸い酷くならずに収まって、帰宅の足に乱れはなかった。

 43日日曜。曇り空、前日とうってかわって肌寒い1日。

この日はいつも競馬をご一緒させてもらっている歯科医のW先生宅で、「ウインズW」が開設されたので、都内某所の先生宅に久々にメンバーが集まり競馬観戦。馬券は朝まとめてPCで購入し、買い増したい分は携帯で。

そこまでの南武線乗車中に読んだ東スポで、南相馬にいたノーリーズンが被災し、宇都宮大学に避難していたことを知る。

 

 いきなり泣きたくなったのは小倉3Rのベルモントスコッチ。「特選穴馬」でも指名した66倍の馬、2着とはハナ、2分の1差の4着。ゴール寸前までは3着確保と見えただけに・・・・。

大阪杯がハマってくれた。ヒルノダムールの1番人気には驚いたが、穴馬として競馬マガジンはじめ各関係サイトで強調したダークシャドウが健闘。どうせなら突き抜けてくれればさらについてくれたのだが・・・。

 とはいうものの、ここに来るまでに負けが込んでいて、土日のトータルでは負け戦。

小倉のローラーが想像以上に効いていたのが響いた。騎手も前週と違って外へ持ち出していない。これでも公式には「ローラーは時計にも競馬の結果にも影響を与えない」というのだから・・・。

 あとは阪神は外枠が圧倒的に不利な馬場になっている。

打ち上げの焼き肉でようやく元気を取り戻す。これまで腹のうちにタメ込んでいた毒?もベラベラと吐き出してスッキリ。競馬よりもこちらが目的だったような気もする。8時半ころ帰宅。馬券を打っていられる身のなんと幸せなことか。

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2011年4月 1日 (金)

たまには競馬のことを

東京の桜は、今年は開花が遅かった。高松宮記念の頃には、ここ23年は八分以上は咲いていたのに、今年は府中ではまだ蕾止まり。

 それがここ2日間の温暖さで、一気に開いた。今年の桜を、感慨ひとしおで見上げる。

 41日金曜、溜まっていた用事を済ますべく市街地へ。この週末は府中の町が、買い出しの不健全な狂騒以来、久々に本来の姿で活気づいてきた気がする。昼食時はラーメン屋も回転寿司屋も、ファストフーズ店もどこも満員。計画停電の枷が外れたからか、道行く人や店員の顔にも余裕が感じられた。だが、どこか晴れ晴れとしていない。暗いというより、どこか落ち着いたような表情の顔が多い。

地震の直接の影響がなかった人たちにとっても、311日午後246分以前と完全に同じ暮らし、心持ちには戻り得ないはず。元の暮らしを取り戻すのではなく、何かを変える必要が全ての人たちに求められている。

 ドバイ以外書いてこなかった競馬のことも、少しは書いてみる。

 

 ここ2週は、最強の法則の次回分特集記事のやり取り(皐月賞の競走場が替わったり、GⅠの出走想定が頻繁に変わったりで何度も直しや校正が入る)とルーティンワーク、そして来月出る某単行本にインタビューを載せていただくことになり、その取材記事のチェック、赤本の原稿などで過ぎて行った。

 さかのぼって19日土曜は、震災以来初めて電車に乗って都心へ。この頃はまだ街は閑散としていた。四谷で降りてタクシーで飯倉、そこから歩いて麻布台のラジオ日本へ。ブース内でグリーンCHを見ながらの中継となった。番組のKプロデューサーは宮城県出身、高校までを過ごしている。ご家族は無事だったが、この時点で友人の方数名とは連絡が取れないままだった。

 終わって恵比寿へ出て、大崎乗り換えでお台場、フジテレビへ。アシスタントの高村さんのお姉さんが浦安在住で、液状化による断水、停電の被害に遭っているとのこと。そんな話をしていたら大きめの余震が来た。

 前日、この日出演のなかった亀谷氏からメール。今馬券を買うことの意義を、競馬法を抜粋した資料を添付して熱く説いてくれた。ディープインパクトの凱旋門賞、馬インフルの事件の時もそうだったが、彼は見かけによらず?頼もしい硬骨漢である。

 番組自体、どこか堅くなるのは仕方ない。暗くなりすぎず、はしゃぎ過ぎずという難しい状況の中での討論となった。亀ちゃんに触発されて、私も冒頭でこういう時に競馬を開催することの意味をひとこと述べさせてもらった。

 翌週26日の土曜は、自宅から夕方フジテレビへ。番組冒頭、被災された方からのメールが紹介される。「前回の番組を見て束の間、現実を忘れることができた」というありがたいメッセージ。こちら側が力づけられてしまった。こういう方が1人でもいる限り、シッカリ務めなくてはならないと思う。

 その思いと実際の馬券の結果がリンクしないのが悲しいというか、私の力及ばぬところ。ジョーカプチーノもスプリングソングも酷い不利を受けて終わってしまったが、これも競馬。敗因は敗因として覚えておくべきだが、結果は現実として仕方ない。狙い目は馬連のみ的中。3連単は3着馬もサクラバクシンオー産駒で当然意識はしていたけれど、さすがにあの成績では手が出なかった。プレミアム分が義捐金に回される毎日杯は本命コティリオンの複勝1本に絞って的中させることができた。

 27日をもって、桜花賞も皐月賞も前哨戦は終了。牝馬は簡単かと思っていたら、レーヴの故障もあって、牡牝とも混迷の状況のままクラシックへ突入することになる。牝馬はそれでもレーヴ以外の馬の序列もある程度見えるが、もともと混戦の牡馬は、トライアルが終わってもサッパリ見えてこない。例年と違いローテが空きすぎて本番となる馬が多いことも拍車をかける。

時計的に見たら、まあまあ水準に手が届くかというレースは確かに多いのだが、一度好走すると次は反動が出てしまうのか、連続して走っている馬がとても少なく、体質や精神力という意味では例年に及ばぬレベルと言わざるを得ない(ディープ産駒のせい?)。勝ち時計はともかくとして、内容的に厳しいラップで走り抜けたレースが少ないし、先週の阪神千八の33重賞中では、牝馬限定のフラワーCが、私見では時計的には最も価値があったという体たらく。

そんな状況の中で、雑草的な側面を見せている、逞しい馬をいかにして捜すか(いないわけではない)。とりあえず皐月賞はそこがカギになりそうな気がしている。あくまで気がしているだけだが。

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