本文へジャンプします。




« 8月7日・日曜 | トップページ | まだ間に合う・・と信じたい »

2011年8月12日 (金)

ここ数日の出来事から

東海テレビのテロップ問題の経緯を知るにつけ、暗澹たる気分になる。といっても、テレビ局のモラル云々ではない。むしろ逆である。クレーム社会、叩き社会の恐ろしさと愚かさについてである。

 もちろん、テレビ局の今回の不始末は愚かしいもので、モラルの欠如である。これは前提。

 ミスで流れたいたずらのテロップを見てクレームの電話を入れるまではアリだし、怒りを感じるのは当然としても、さらに東海テレビのスポンサー企業に電話して、「あんなテレビ局の提供をするとは不見識」などと責め立てるのはやりすぎ。そういう行為には人間としての欠落した部分、今の社会の病んだ一面というか、病根そのものと感じてしまう。

 スポンサーが自主的に判断して降りるのならばこれは仕方ない。だが今回は、視聴者からのクレームで動いたという会社が何社かあったとのことで、ユーザーの言いなりになるだけという、その対応にも嘆かわしい思いがする。

 似たようなことは、とあるアイドルが着ていたTシャツに、原爆を表すスラング?コードネーム?の「リトルボーイ」という表記があったのを目にした一部の人たちが、テレビ局やネットに大量の抗議を寄せたという騒動にも感じた。また安直に謝罪コメントとか出しちゃうもんだから・・・・情けない。

 さらに、こうした狂気を帯びたクレーム活動がはびこると、正当な批判までもがクレーム扱いされてしまうという悪循環にも陥りかねない。

◆あまり大きくは報道されていないけれど、地震学者たちが改めて警鐘を鳴らしている。(毎日新聞では比較的報じていたが)今こそ、耐震対策、避難対策を立てておかずしていつやるのか、一刻も早く態勢を整えるべきだ、と。しかし現況の政治は・・・・ということになる。学校の耐震補強工事などは徐々に始まったが、まだまだ下町には耐震基準に程遠い建物や家屋が多いし、食料備蓄、避難体制の見直しも、自治体の自覚によって差が出てきてしまっているし、国としてのビジョンは明確に示されないままだ。

 状況は逼迫しており、東海地震、東南海地震はもちろんのこと、首都圏に限れば東京湾北部と、立川断層を震源とした地震がリーチ状態。東日本大震災で起きた地殻の歪みが、従来の予測よりも早い発生を促す恐れがかなりあるとのこと。

 と同時に、1980年前後を境に、環太平洋圏が1500年~3000年に一度の地震頻発世紀に入ったとみられるという研究報告も固まったそうだ。

 現代の日本の繁栄は、関東大震災以降100年に満たない程度の期間に急速に成立したものであるが、自然レベルからしたらほんの一瞬の間の出来事に過ぎない。つまり逆に一瞬のうちに今の生活レベルが消されるか、あるいは捨て去ることを余儀なくされても全く驚けないということだ。

ただ人は、自分の目の黒い内のことしか体験することはできないので、どうしても自分が生まれて以降、実体験してきた社会が全ての基盤であり、判断基準であり、そこを超えた想像を働かせるのはなかなか困難。よって、有事の際の備えも遅れるし、楽観主義に堕してしまうものである。

そんな大きな変化は、運良く(と言っていいかどうか)今生きている人たちが死に絶えた後の世代になって起きるのかもしれないが、また明日にでも降りかかるのかもしれない。いずれにせよ、その程度の想像は、一応しておくべきだと思う。そして自力で今の暮らしを壊すような愚を、人間は犯すべきではない。

 まあ要領を得ないことを書いてるなと自分でも思いますが、要は気を抜かない方がいいということ。

◆訃報が止まらない。ジョー山中に日吉ミミ。ああ昭和がまた遠くなった。

|