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2012年6月11日 (月)

一夜明けても

まずお知らせ。あさって水曜日、テレビ朝日系で23時15分から放送される「マツコと有吉の怒り新党」で、「いぶし銀騎手の三大名勝負」という企画が放送になるそうで、「競馬最強の法則」から、いつもお世話になっている島村氏が取材協力をしたとのこと。ぜひごらんください。

さてまさにこの番組のタイトルの元である「怒り心頭」といえば、例の問題に対して、一晩経っても怒りというか憤りはさらに膨らんでいる。

詳しい見解は来月の最強の法則に書くつもりなので、ここでは少し端折りたいが、いくつか整理して。

★各スポーツ紙の取り上げ方には温度差が幾分あり。サンスポが記者の主観や意見を交えて一番提言、告発という意思が読み取れた。競馬マスコミが一体となって追求していくべき大問題だけに、今後月刊誌も含めた全体的な取り組みが期待される。

★当日のレープロには裁決委員が掲載されている。この日の東京は青木委員、庄内委員、尾辻委員。参考までに。

★「ゴール前の2,3完歩なら着順に大きな影響を与えない」「着順変更は裁決にとって必ずしも最大の事案ではない」新聞報道、あるいは記者会見に出席した方のレポートから、こういった言葉が公式に発言されたのが確実だ。

これは、今後の審議において、極めて重大かつ軽率な発言なのではないだろうか。

そもそも降着制度において、着順変更が最大の焦点ではないと発言すること自体、意識を疑う。着順変更+騎乗停止によって、粗暴な騎乗や不注意に根差す事故や不正を根絶するための抑止力とするのがこの制度の根幹であり、時に着順変更に際してファンに痛手を負わせることがあったとしても、先々の公正な競馬施行のために、極端に言えば客に泣いてもらっても、そちらを優先させるということではないのか。

そもそも、降着に関する条文を読む限り、委員がそんな解釈(「」内の部分)を勝手に加えていいということはどこにも書いていない。そんなことをしていたら、世の中の決まりはすべてザルになってしまう。もしどうしても決まりを超えた主観に基づく判断をしたいなら、然るべき第三者(部外者による)による裁定を仰ぐしかないのだ。その意味でJRAの裁定委員会というのは、内部で内部を裁くだけで、公正な判断をする可能性はゼロに等しく、ハッキリ言って無意味な機関なのだが。

★個人的に特に問題視したいのは「ゴール前の2,3完歩なら着順に大きな影響を与えない」という箇所だ。これは意地の悪いことを言えば、ゴール寸前ならラフプレーはセーフと拡大解釈されてしまう。JRAが錦の御旗としている「公正競馬」と矛盾することに繋がりかねない。第一、2,3完歩で着順が入れ替わるほどの事が起きえないという見解はいろいろな意味で「大変な」ことであり、競馬の常識を根底から覆したことになる。まずこの発言の重大さに青木委員は気付いているのか?

★最大の問題は、前にも書いたように、裁決委員が裁決のプロを養成する機関を経てその任に就いているわけではない、ということ。そしてこの件に限らず、競馬を本当に愛し、常にベターの選択をするにはどうしたらいいのかを考えている人たちばかりが権限の強い任務にあたっているわけではない、ということ。

これはつまり、JRAの構造に遠因があり、これが変わらない以上、今後も似たような問題は繰り返し起こる。

私がさまざまな人たちから非難を受けながら(同じ競馬マスコミの住人からも)、最強の法則などでJRAへの疑問や納得できない規則の不備を指摘するようになってからもう10年近くなるが、多少は前進したこともあるにせよ、結局裁決やレース編成、馬場に関することなどの重大な部分は変わらないままであり、何度も指摘してきた不都合が忘れたころに飛び出してくる。

★先日、個人的に東京競馬場である出来事があった時に、現場で担当されていた部署の方はとても誠意ある対応と、迅速な改善策を講じておられた。また裁決委員の中にも、中村嘉宏委員のように私の執拗な質問に対しても真摯な対応をして下さり、改善に向けたヒントを出してくれた方だって当然いる。今は福島で責任ある立場におられる成沢裕氏のアイデアマンぶりも頼もしい。だからこそ、今回のような事例が残念でならない。

物事には100%がないと分かっていても、今回のことは100%の誤審。どんな理屈をもってしてもこれをセーフというのは無理。しかし今更裁定が覆ることはないのなら、できることはただ一つ。裁決委員が素直にミスを認めることだ。誤りを認めるのに恥ずかしいことはない。まあ常識的に考えて認めることはないと思うが、万一にも認めた時に何かが変わることも確かだろう。

もう1つ、認める認めない以前に、中村さんにも繰り返し述べたのだがファンへ対しての説明責任を、自分たちが出てきて果たすこと。これができない限り、審判としての最低限の義務すら果たしていないのと同然なのである。

★最後にもう1つ。競馬新聞記者がエージェントを務めることが公式に認められたが、どの記者がどの騎手のエージェントなのかの情報公開が、為されていないのと一緒という話。どうやら、関東ならトレセンの公正室に張り出されているだけとのこと。これでは「公開」ではない。せめてHPにて発表すべきだ。公式に認めたのだから、何も後ろめたいことはないはずだ。

とにかく、極論すれば、ことは「ただの競馬」でのことなのだ。今の日本はそれどころではないことがたくさん起きている。遊びを統括する組織なのだから、何もメンツとか、権威とか、振りかざす必要は一切ない。もちろん厳粛に任務を遂行すべきてはあるが、もっと臨機応変に、身軽に、変えるべきところを変えていけばいいだけの話である。

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