本文へジャンプします。




2012年12月

« 2012年11月 | トップページ | 2013年1月 »

2012年12月31日 (月)

今年最後の更新です

 本日2度目の更新。

 前回の記事で最後に「今年は何もいいことがなかった」と書いたけれど、改めて思い返せば書きものの仕事面はおかげさまで充実していた。予想では胸を張れないのが情けないが・・・。

 その書きものの中でも、最も楽しい仕事だったのが、大越正実さんが作られた「これが好き!ニッポンの歌」(音楽出版社刊)だった。お読みになった方も多いと思うし、2012年の仕事を何か1つ振り返れと言われたらこれになる。100名の著名人の末席を汚させていただいた。

 もう発売されて半年以上経つので、私の選んだ30曲については公開する。大越さんも許して下さるだろう。順不同。

「悲しき口笛」美空ひばり

「ヨイトマケの唄」丸山(美輪)明宏

「夕陽が泣いている」ザ・スパイダーズ

「ウルトラマンのうた」みすず児童合唱団

「帰ってきたヨッパライ」フォーククルセイダーズ

「時には母のない子のように」カルメン・マキ

「風をあつめて」はっぴいえんど

「春夏秋冬」泉谷しげる

「昭和ブルース」天知茂

「襟裳岬」森進一

「ファンキーモンキーベイビー」キャロル

「あの日に帰りたい」荒井由実

「流星」吉田拓郎

「津軽海峡冬景色」石川さゆり

「わかれうた」中島みゆき

「さよなら」オフコース

「サムデイ」佐野元春

「とまどうペリカン」井上陽水

「たかをくくろうか」ビートたけし

「DON’T TRUST ANYONE OVER 30」ムーンライダーズ 

「都市生活者の夜」JAGATARA

「ホーム・スウィート・ホーム」矢野顕子

「空がまた暗くなる」RCサクセション

「はじめて」小川美潮

「満月の夕」ソウルフラワーユニオン

「ロビンソン」スピッツ

「どうにかなる」町田康+グローリー

「今宵の月のように」エレファントカシマシ

「夜空ノムコウ」スガシカオ

「いつか風になる日」元ちとせ

縛りはもちろん邦楽。またワンシンガー1曲。そして曲に洋楽の影響が強く出ていたとしても、どこかに日本的要素が隠せず滲んでいるもの。なお自分が好きな音楽、影響を受けた曲というのとはまた別であることは申し上げておく。もちろんどれも好きな曲ではあるのだが。

こうしてみて、あらためて入れておけば良かったかなあと今でも後悔しているのは、北原ミレイ、岸洋子、ちあきなおみ。

うたをテーマにした選定なので、詞の表現力の高潔さ、音と言葉のくっつき具合を何よりの基準とした。このメロディー、このリズムに、まるで必然的に付着しているかのような言葉。その向こうに見える風景の美しさ。特に90年代以降の日本の歌が喪失した部分である。単なる自己憐憫や人生応援歌なんてゴミでしょ。

敢えて断言してしまうが、90年代以降の音楽は詞が絶望的なほどにつまらなくなった。それと同時に歌が堕落した。反感承知で誤解を恐れずに書くと、今の30代以下の人たちに対して、音楽的な部分の文化については、かわいそうにさえ感じてしまう。

 こういう仕事を受けるのは、実はとても勇気のいることで、なぜなら映画にしても音楽にしても、「私はこれが好きです」と公開することは、自分がどういう人間か知られることに等しいからだ。それでなくてもかつては音楽については前線で仕事をしていた立場なので、生半可な選曲はできない。それだけにかなり煩悶して選んだのだが、それもまたとても楽しい作業であり、いつしか自分を良く見せようという思いも消えていた。

 まあ私の駄文はともかくとして、ぜひ他の高名な皆さんの選曲ラインナップとエッセイを見てもらいたい。5月に出た本だが、改めてご一読を勧める。アマゾンのリンクは

http://www.amazon.co.jp/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%8C%E5%A5%BD%E3%81%8D-%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%AD%8C-CD%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%83%83%E3%82%AF-%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E5%87%BA%E7%89%88%E7%A4%BE/dp/4861710855/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1356942992&sr=8-1

さて、これが年内最後の更新となります。お付き合いいただいてどうもありがとうございました。読んで腹を立てることになる記述も多かったと思いますが、来年もそうなるでしょう(苦笑)みなさま良いお年をお迎えください。

|


2012年12月31日 (月)

ワーワー言うとります

1227日はよんどころない用事でまたしても日帰りで鶴舞へ。これで1日終わる。

今年はわけあって帰省せず、年末年始はずっと自宅で家事とたまった片づけもの、資料整理に追われることになる。

◆今年の冬はノロウイルスもRSウイルスも変異したそうだ。共に大流行。免疫もクソもなくなってしまった。かかってしまった人にやれ体が弱いとか、抵抗力がないとか言っていても意味がない。ウイルスの変異にはかなわない。ひたすら予防あるのみ。

風邪(RS)には1カ月くらい悩まされたが、ノロは幸いにしてまだ大丈夫。あれは人間としての尊厳を損なうような、時と場所を選ばない悲惨な状態に陥る。マスク、手洗い、うがいで防御するしか手はない。

インフルエンザは去年と同じ型が主流とか。ならば予防接種で乗り切れるだろう。

◆東京大賞典はテレビ観戦。馬券は参加せず。ゴール前の3頭の競り合いは見応えあり。ローマンレジェンドが勝ち切った。やはり前走のJCダート凡走は、みやこSの鬼脚の反動だったのだろう。まともならこの馬が現在ダート最強。ただ、軽い馬場も見方したことは確か。

昔の大井の深い深いダートで、しかも良馬場なら、どんな結果になったことか。ここ10年、地方競馬のダートを軽くし過ぎたために交流重賞の面白みが半減した。これについては、去年のJBCでお会いした、高名の某地方競馬記者の方と一致した見解。

あと、これは個人的な意見で全くのいちゃもんだが、岩田騎手の勝利後のパフォーマンスがどうもしつこく、軽い。あまり格好のいいものではないと思うが、まあああいうのが喜ばれる時代なのかもしれない。あくまで個人的に好かないというだけ。

◆池上彰氏が年末のニュース総括番組に引っ張りだこ。とにかく今年の開票速報での氏のツッコミは凄かったなあ。公明党に宗教問題で正面から切り込んだり、石原に喧嘩を売ったり(石原は反論も何もできずけしからんを連発するのみ)、とにかく笑わせてもらった。「波風立ててこそ本当のジャーナリスト」というその後のコメント含めて、パフォーマンスを完結させた。

それにしても小選挙区制の弊害が、本当に露骨になってきている。

◆生活保護費不正受給で仕事を自粛してきた河本準一が、すべらない話に出演したこととその内容に対し、ツイッターで叩かれまくっているそうだ。本当にキモチワルイ国になったもんだ。バカにツイッターなんて高等な道具を与えたもんだから、始末に負えなくなっている。お笑い芸人なんて自分に起こった特異な経験や体験、失敗をネタにしてなんぼでしょう。しかも仕事するなってお前らにいう権利はない。河本氏だって家族を養っていく権利がある。バカが振りかざす正義感ほど厄介なものはない。

そもそも人を非難する手段としてツイッターなんていう安易な手段を使うんじゃない。とかく脊髄反射になりがちなツールで、しかも字数制限まであるわけで、そもそも匿名で正当な批判や非難ができるわけがない。

◆あと9時間で今年も終わり。もう1回更新するつもり。それにしても何も良いことがなかった1年だった。

少しトゲトゲしくなりましたがご容赦を。

 

|


2012年12月30日 (日)

年末の小ネタ

今日2回目の更新。

 

◆蛯名騎手東京スポーツの連載コラムで、有馬記念翌日の開催に反対すると主張。現場の騎手からもこうした声が挙がっていることは実に興味深い。反対の根拠は完全に私と同じだ。

一番マズイのは、今年経験したあとに「意外と翌日の開催も悪くない」といった論調が出てきてそれに流されてしまうこと。来年はもう決まってしまっていて今年と同じ日程で行われるのが残念でならないのだが、次に3日間開催がぶつかる巡りになった際には、ぜひ中日に有馬記念を行うことは止めてほしい。

◆今年の有馬記念で「実質一番強い競馬をしたのはルーラーシップ」「出遅れていなければ勝っていた」というような、プロの記者の見解を見て疑問。たまたま今回出遅れてしまったというのならともかく、あの馬の場合はもう悪癖であり、出遅れてしまうことも能力の内なのだ。競走馬としての資質に大きな欠落があるわけであり、「出遅れがなければ」という物言いは成り立たない。ならば脚の遅い馬が「もっと速く走れたら勝っていた」という愚かしい弁解もアリになってしまう。

「もし・・・だったら勝っていた、負けていた」は大事なレース分析の1つで、競馬はタラレバが重要なのであるが、これを言うにはレースを見る力量が問われる。

◆フジテレビ土曜深夜「なまうま」の後番組に、AKBの小嶋陽菜が不定期で登場するようだ。個人でPATにも入っているという話もあるし、有馬記念も5頭ボックスで3連単的中したと新聞記事にもなっていた。こういう人たちがガンガン馬券を買ってくれるのはいいね。

◆今年の紅白はなんといっても美輪明宏が楽しみだ。無知のバカどもが「なんで歌手でもないタレントを出すのか」とNHKに苦情を寄せたそうだが、本当に嘆かわしい。クレームつける前におかしいと思ったら普通は調べるもんだと思うが、バカだけに脳を経由せず脊髄反射してしまうのか。

「ヨイトマケの唄」をNHKもノーカットで放送することを決めたそうで、これは当然。あの歌は少しでもカットしたら意味がなくなる。

以前「白呪」(75年発売)というアルバムが絶賛されていたのを目にして、大学に入ってから中古盤屋で見かけて聞いたら、しばらく立つことができないほどショックを受けた。社会的弱者、歴史の中に埋もれていった差別、貧困、権力者によって(間接的に)殺された人々、戦争・・・どうしようもない矛盾と悲劇を題材に、それこそ抹殺されたものを代弁して呪うがごとき声で歌い上げていた。ヨイトマケの唄はこのアルバムに収録されていた。とはいえあのアルバムの中では一番マイルドな曲だった。

美輪明宏の本領は、オーラがどうとかいう今の姿ではなくて、まさにあのイタコのような歌にある。40年近い年月を経れば人も丸くはなり、しかも紅白ならあのおどろしさは薄れるだろうが、大晦日に全国のお茶の間にあの歌が流れることに価値がある。

|


2012年12月30日 (日)

今年の訃報から

昨日は年賀状をようやく書くことができた。それにしても今年は「喪中につき年末年始のご挨拶を遠慮」という報らせが多かった。こんなに訃報が届いた年は記憶にない。それだけ気候変動が激しかったということなのかもしれない。

 ここでも折に触れ著名人の訃報を取り上げたけれど、あまりに多くて何名か、触れたいのに取り上げる機会を逸してしまった故人が何名かいる。

 藤本義一氏は競馬への造詣も深く、昔は優駿にもよく寄稿されていた。秋の天皇賞が最後に買った馬券だったとのこと。本命はフェノーメノで、シッカリと的中させたそうだ。

 佐藤博氏は、私の世代なら本当にたくさんの楽曲でそのキーボードプレイを耳にしているはずである。個人的には大瀧詠一のアルバム「ナイアガラムーン」のピアノ、細野晴臣の「泰安洋行」や吉田美奈子、山下達郎の一連の作品でのキーボードが染みついている。動脈瘤破裂のためスタジオで倒れたとのこと。スタジオから天国へ向かったことがせめてもの慰めか。

 長野洋氏は私の少年時代の思い出を確実に形成してくれた脚本家。「太陽にほえろ」では小川英氏と並ぶメインライターであり、また「キイハンター」「赤い迷路」「俺たちは天使だ」「噂の刑事トミーとマツ」「スクールウォーズ」・・・と並べれば、その偉業が偲ばれる。

 スコット・マッケンジーは「花のサンフランシスコ」の大ヒット一発で知られるシンガー。リアルタイムでは知らないのだが、個人的にこの曲には愛着がある。

小学校56年生当時、大流行していたBCL(海外短波放送傍受)にハマっていた頃に、サンフランシスコの放送局「KGEI」が日本時間の夕方5時から1時間日本語放送を行っていたのだが、オープニングナレーションの後に決まって流れるのがこの「花のサンフランシスコ」だったのだ。

夕陽のにじんだ空気の色と、この歌声が妙にマッチして、遠い異国の歌なのに、自分にとっては少年期の故郷の夕暮れを想起させる音楽として刻み込まれている。

(プロモーションVは http://www.youtube.com/watch?v=WTD_7BxML4c

 同列に扱うのは先述した故人に失礼ではあるが、もう1名、ぜひ触れておきたい。死去したわけではないのだが、残念ながら68歳にして犯罪(殺人予備罪とストーカー規制法違反で逮捕)を犯して「社会的生命」を失った阿木譲。

 当初は歌手だったようだが、私が知っているのは70年代後半から渋谷陽一氏や松岡正剛氏、故・間章氏、中村とうよう氏らと並ぶサブカルチャーの論各として、八面六臂の活躍をしていた姿だ。何といっても大きいのは、当時電子音楽としか言われていなかった種の音楽を日本に初めて紹介し、「テクノポップ」という言葉を創って呼称とした(とされている)ことだ。

また阿木が設立した「ヴァニティレコード(諸説あるが日本初のインディーズレーベルとされる)」や主宰した雑誌「ロックマガジン」がなければ、関西のロックシーンはかなり遅れたものになっていたはずだ。関西ノーウェーヴもなく、アーントサリーも、あがた森魚の「乗物図鑑」も、山崎春美も世に出なかったかもしれないのだ。

晩節を汚したのは残念でならないが、当時からそのエキセントリックな人柄やトラブルの数々も喧伝されており、何とかと天才は紙一重というところはあった。

犯した罪は罪として、彼が音楽史に残した功績は認めたい。

|


2012年12月29日 (土)

12月24日・月曜+α

24日は快晴。どこまでも清々しい青空が広がった。しかし入場人員は今1つ。

 この日はいつもより購入金額を減らし、特別戦から抜粋して馬券を買う。万両賞は本命ノーブルコロネット、対抗アドマイヤオウジャ、白三角プリムラプルガリス、オツウ・・・・ここまで読めば、オッ!と思われた方もいるかもしれないが・・・・なんと3連単を買わず。アドマイヤとノーブルのワイド、アドマイヤの複勝と地味な馬券しか取れず。

 オツウは負けたとはいえ形はつけた。ただ嫌う要素もかなりあったので、その点では予想は正着だったと思っている。

 

そんな私の予想よりも。

 オツウの馬主の大和屋暁氏は、ジャスタウェイの馬主でもあり、過去にはハーツクライを共同で所有していたことでも知られる高名のアニメ脚本家であるのは知られているが、暁氏の父がなんとルパン三世シリーズのメインライターだったあの大和屋竺氏であり、しかも竺氏は若松プロ(以前訃報について書いた若松孝二監督の)でデビューして「出口出」の変名で数々の作品(処女ゲバゲバや荒野のダッチワイフ)をものしていたことを知って驚く。

大和屋竺氏は他にも、映画「八月の濡れた砂」(!)、「カポネ大いに泣く」(!!鈴木清順監督ね、田中裕子が良かった!)などの脚本を担当、テレビドラマ「探偵物語」の中でも名作の呼び声高い第24話「ダイヤモンドパニック」の共同脚本も手掛けていた(!!!)ことを知ってさらに驚く・・・・って書いても、30代以下の人には何が何やら分からないと思うが、知った時にはとにかくスゲエスゲエとアホのように繰り返すのみ。

 話を競馬に戻して阪神カップ。私の持っていた3連複フォーメーション。1列目に本命としたマジンプロスパーとサンカルロの2頭。2列目4頭の中にオセアニアボスあり。3列目7頭の中にガルボあり。ちなみにファイナルフォームは無印。多くは語るまい。3連単は買ってない)

 ハッピーエンドCは馬連で的中、ここで止めておけばよかったのにファイナルSは馬連タテ目を喰らって2012年の中央競馬が終了。すべてにおいて、反省ばかりの1年だった・・・・。

 せめてもの救いは一通のメール。実は124日に、高校時代の同期生3名と30年ぶりに再会し、食事をするという機会があって、その際に有馬記念の話題となり、「人気でもゴールドシップを買っておけば間違いはない」と吹聴していたのだが、私の言葉を信用して馬券を買ったとのこと、そのお礼だった。

社会はもちろん、他人様の健康や生産活動に何1つ貢献することのできない浮き草稼業ではあるが、こういう瞬間があれば後ろめたさも少しは軽くなるというものだ。

 

 中央競馬の本年度の売り上げは前年比104.4%。ただし前年は震災に伴う開催中止週があり、変則日程だったわけだから、手放しでは喜べない。というか実質的にはダウン同然。通年スケジュールで行われた一昨年と比べると98.6%。

 最後に、前々回書き忘れていたが土曜のラジオNIKKEI杯2歳S。個人的には◎バッドボーイで馬連のみ運よく引っ掛けた。キズナをぶった切って3連単はドボン。エピファネイアは3戦すべてスロー。特に今回は重賞の価値を損ねるほどのウルトラスーパースローペースであり、全く能力を測る基準にはなっていない。真の見極めは来年へ持ち越された。個人的には?の方が先に立つ。

 忘れていたと言えばもう1つ、福留阪神入り。これでチーム再建がまた後手に回ることになる。中村GMは二言目には「若手は競争で勝ってほしい」と言っているけれど、競争させて意味があるのは同等の立場にある選手同士だ。大金はたいて取った福留がどうしても優先されて使われるのだから、その意味で全く競争になっていない。

しかも上本にしても良太にしても、大和にしても、すでに一度競争で勝ってレギュラーを去年掴んだ選手たちである。そこにやれ西岡だ、福留だとぶつけられたら、これは逆効果で、来年こそは暴れてやろうと牙を研いでいた選手の意気込みを削ぐ恐れが大きい。

特に福留に金本と同様の効果を求めているのだとしたら、何を勘違いしているのかと呆れるしかない。来年は良くて4位。こういう予想は意外と当たる(苦笑)。

|


2012年12月29日 (土)

12月23日・日曜

本日2度目の更新。

日曜は東京競馬場。人出は通常の日曜に毛が生えたくらいに留まっていた。

有馬記念は予想TVでも述べたように現役最強馬と思っているゴールドシップが完勝。内田騎手の乗り方は、私の目にはむしろミスと映るシーンが目立ったが、馬の強さがそれをカバーして余りあるものだった。菊花賞のレベルも証明できたことだし、レース結果には満足。素直にゴールドシップ本命としなかった自分が恥ずかしいくらいの強さだった。パフォーマンスの内容は、3歳時のナリタブライアンが勝った時に匹敵するものだったと思う。

 

 もともと、内田が踏み遅れなければ(ワールドエースを過剰に意識しすぎたと思っている)、ダービーだって勝ち負けになっていたはず。来年はどこでぶつかるかは分からないが、オルフェーヴル、ジェンティルドンナと白黒つけてほしい。

 見応えあるレースになったのは、アーネストリーがレースを引っ張ってくれたから。こうした存在があるかないかで、レースの締まり具合に雲泥の差が出てしまう。

 本命スカイディグニティは力を出し切った。直線入口では馬券対象は確実と思えたが、最後に力尽きた。来年に期待。

 亀谷氏、井内氏のオーシャンブルー本命はお見事。馬連でフォローできずにゴールド頭の「ションベン3連単」(汚く引っかけたの意)しか取れなかった自分の買い方には、毎度ながら猛省。なぜ6-13の馬連を番組で買わなかったのか、自分でも分からないボーンヘッドだ。

 それにしても有馬と世相とのリンク(今回は今年を表す漢字)の強さが、ベタとはいえまた今回も現実に。「ゴールド」シップはみな気付いていたが、オーシャンブルーの前走が「金」鯱賞勝ちというのは意外と見過ごしていた。もっともステイ「ゴールド」セットで取ったという人は意外と多かったようだ。

 売り上げは前年比88%だが、これはなにもオルフェーヴルやジェンティルドンナが回避したからばかりではない。突然の回避や取り消しならそうだろうが、当初から回避を表明していたわけだから、その影響はさほど大きくなくて、むしろ翌日の開催を考えて手控えた人が多かったことの方が大きな原因となっている。これは私の妄想でもなくて、この日の東京競馬場に来場していた人たちから、「明日も競馬があるから有馬記念はそんなに買わない」と言っている声を聞いたからである。まあその一部の声だけをとって絶対の根拠とするつもりもないが、3日間連続開催なら資金が薄まるのは当然の成り行きだ。

 ならば土曜中山が前年比100.9%と増加したことはオカシイと思う方もいるかもしれないが、土曜中山の出走頭数は前年より10頭多かった上に、前年は3場開催だった。それを思えば2場開催での100.9%は実質マイナスと言っていいだろう。

 オルフェーヴルやジェンティルドンナのこの秋のローテーションについては、それはそれで正しいものだったとは思うが、馬三郎の弥永記者が再三書いているように、有馬記念の比重が軽くなっていることへの懸念は残る。ラジオ日本・木村アナが番組ブログに書いている意見には基本的に賛成だ。

http://blog.jorf.co.jp/keiba_program/2012/12/post-5871.html

 狙い目としたサンタクロースHは、連闘狙いのミカエルビスティーがスタート後にまともに挟まれてしまいシンガリまで下がり万事休す。上がり最速で追い込んできてもあの位置では無理だ。

 翌日が競馬だと思うと、打ち上げも開放的にはなれないし、有馬記念を肴にワイワイやるムードでもない。予想原稿執筆や翌日のラジオの準備もあり、スッキリしないままに解散。

 

|


2012年12月28日 (金)

12月22日土曜

年末は暇なので、ガンガン更新していくつもり。まずは最終週の競馬関係を。

 22日土曜は中山。年末最終週の土曜としては寂しい人出となったのは、天候がハッキリしなかったことと寒さも響いたのだろうが、それにしても活気を感じられなかったのが残念。

 

 この日の事件と言えば四位騎手の怠慢騎乗。ベテランという立場を考えるとなおさら恥ずかしい失態。もともとゴール前に早々に尻を上げる悪癖のあった騎手であり、タニノギムレットの皐月賞の時にすでに制裁対象としておくべきだった(苦笑)。遅すぎる感さえある。反対に諦めずに追った北村友騎手の姿勢が立派・・・というか、騎手として当然の務めをしただけで褒められてしまうというのも情けない話だが。

 馬券的には悶絶したのが中山メインのブルームーンピサ。三浦が前が詰まってノッキングのような騎乗を4角あたりから坂下まで延々と・・・。ここから最終週は悶絶するような4着病に取り憑かれることになる。

 お台場へ移動して競馬予想TV。本命はスカイディグニティ。ゴールドシップの菊花賞の評価を巡って指数派両名と対立したところくらいが番組のヒートアップに貢献できた箇所だった。

|


2012年12月27日 (木)

樋野竜司氏「政治騎手2013」

◆ルーラーシップ引退。走るたびに出遅れの悪癖は酷くなっていたので、これは仕方ないだろう。国内では無冠も、海外では1つ勝てたし、サンデーを保持しない血脈の需要も高い。種牡馬としても明るいのではないだろうか。

◆さて今回は、そろそろアマゾンにも再入荷したようなので、毎年恒例・樋野竜司氏の政治騎手シリーズ2013年度版「政治騎手名鑑2013・ガラガラポン!」の紹介。とにかく騎手論では他の追随を許さない・・・というか、他にできる人のいない孤高の領域に屹立する樋野氏の最新刊。

馬券の役に立つのはもちろんだが、私などはそれ以上に1冊の読み物として毎年とても楽しみにしている。そして今年の第1章も、他の書き手には書けない踏み込みで現在の中央競馬の問題点を鋭く衝いている。これに比べれば、私の最強の連載のなんとマイルドなことか。

そしてもう1つ、今年度のウリとして挙げられるのは、マスコミが公開に二の足を踏んでいるエージェントリストを公開したことだ。これは今年、トレセンの公正室に掲示したことをもってJRAが「情報公開」としているもので、一般のファンの目に触れることは、個人で問い合わせをしない限りは無いものだった。これを知った上で、各エージェント記者の印を見るのも一興である。

とにかく、他の競馬マスコミ、ライターの真似できない視点で競馬を見つめている樋野氏でないと書けない本。とにかく必読である。(KKベストセラーズ・定価1714円+消費税)。

◆そしてこれを書く直前、訃報が飛び込んできた。青木芳之騎手が逝去。35歳、若すぎる。一部には自殺という報道も出ているが、正式には発表されていない。謹んでご冥福を祈るのみ。

|


2012年12月21日 (金)

いよいよ

ジャパンCの3日後から、入れ替わり立ち替わり違う種類の風邪をひき続けている。ここのところ1週間は鼻水と咳だ。年齢のためかとにかく抜けてくれない。

万全のコンディションとはいかないが、それでも何とかラストウィークに漕ぎ着けた。土曜と月曜は中山競馬場。

金曜の各紙を見ると、有馬記念の印は意外にも散らばり気味。もっとゴールドシップに偏ると思っていた。そしてこれまた意外にもダークシャドウ本命が多い。

土曜の雨はそこそこまとまったものになりそう。そもそも良馬場でもパワー寄りの馬場だったので、今年のグランプリは雨の影響も少しは残りそうで軽い馬場にはならないようだ。

なお中山阪神共に芝刈りなし、ダートには凍結防止剤なし。

日曜の中山は晴れ間がのぞきそう。

それではみなさま、良いグランプリを!

|


2012年12月20日 (木)

福留いらんわ

◆福留なんか取らんでいいのに阪神は何をトチ狂っているのか。まさか金本の再来を期待しているのか??もう年齢的にも上積みなし、その分若手を使ってやらないとチーム力の底上げにはならないことくらい子供でも分かることだ。

 もちろん代理人の入れ知恵だろうが、腹立たしいまでの条件釣り上げは日本球界をナメている。DeNAも阪神も手を引いて干した方が良い。

 それに比べて中日・山井の男気と言ったら。ナゴヤドームの入場料を下げろという交渉を選手がするというのは素晴らしい。器の違い。

 大谷の日ハム入りも大正解。日本人なんだからまずは日本に貢献してからでないと。

 

◆いよいよ有馬記念だ。当該週になってようやく、競馬ブックをはじめとして、有馬翌日の競馬開催へ否定的な見解を複数見かけた。その他にも同様の意見を新聞紙上でも散見することができて、何かノド元がスッキリした感がする。

私の許に届いた、都内にお住まいのS.K.さんのメール。

「有馬記念はファンにとって大切なレースだということを主催者は感じてほしいです。翌日のレースも買うんでしょ?!位の気持ちは短期的な考えで来年も同じことが繰り返されてしまうので是非有馬記念は年間最終日に行われることを願っている一人です。」

 

 前にも書いたように最強の法則のアンケートでも圧倒的に反対の声が多いそうだ。

 連休が3日間にならない年は従来通りとなるのだろうが、今後また近いうちに月曜休みのカレンダーが巡ってくるはずだ。来年は決まっているので仕方ないけれど、今後そうなった際に、有馬記念が3日開催の中日になることが、もう無いようにしてもらいたい。

 

◆中山のノエル賞はクリスマスっぽくていいけれど、阪神のリボン賞はあまりに捻りがない。リボンって・・・・。

◆選挙はやるまでもなかった結末。投票率が戦後最低なのも、自民大勝が明白で自分がいかなくてもと思った人たち、また死票の増加を嫌った人たちが敬遠したわけだ。

維新が思ったほど伸びなかったことには個人的に安堵。自民にしても、今回大勝のようでいながら、惨敗に終わった前回よりも総獲得票数は減っているわけで、選択肢が増えればやはり外へ流れた票も多かったということ。

株式市場は好況を呈しているけれど、もちろん根拠に乏しい。あくまで景気を支えるのは消費の増大であり、これが伴わないことには全く喜ぶわけにはいかない。金融緩和と公共事業強化策はいいとして、安倍内閣が目標とする物価上昇が現実となった場合に、果たして給与水準も連れて上がるのかどうか、そこは甚だ怪しいものだ。企業実績が上がったとしても、大企業の留保金の貯め込みが解消されないと、庶民にお金が回り出さない。

消費税アップにしても、テレビの街頭インタビューを見ていると、自民党なら凍結してくれると勘違いしている人だって意外といるのだ。実際には景気上昇と勝手に判断されたら、再来年には8%、その後10%というアップが行われる。これはもう免れないところだろう。

ハッキリ言って、すべての面で先行き不透明。次なる震災も、規模はともかくとして遠からぬ未来に再襲来することは必定。選挙のかげに隠れているが毎日新聞で先日報道された、福島第1原発3号機の使用済み燃料保管プールの惨状についても、その後全く聞こえてこない。とにかく明るい見通しは何1つない。

というわけで、せめて最終週くらいはドカンと勝ちたいっすよ(笑)。(ひどいオチ)

(追記・鉄骨の取りだしが20日に行われたようだ)

|


2012年12月19日 (水)

12月15,16日の競馬から

2回前に、「今月の最強の法則で少し意外なことを書いている」と告知しましたが、それは来年1月発売号での内容でした。年末進行で発売前に次号の締め切りがあったので、完全に勘違いしていました。今発売の号では、今年連載で取り上げたテーマを振り返っています。

 それから、今週のギャロップの競馬予想TVのページに少し書きました。

 では先週の競馬関係を。

◆土曜は中山競馬。予報では「天気は悪いものの暖かくなる=15度想定」とのことだったが、なんのなんの小雨がずっと舞った上に寒かった。ただちょうど良いお湿りといった程度に留まり、寒さの割には風邪ひきにとってはありがたい、柔らかい空気になっていた。

お昼前くらいから競馬場はだんだん霧が濃くなり、放送席からでも向正面はうっすらとしか見えないほど。ごくまれに中山ではこうしたことがあるけれど、実際にその場に居合わせたのは久しぶり。確かヒカリデュールが勝った有馬記念当日もこんな感じだったっけ。

◆JC週以降無惨だった馬券が、この日は上向いてきた。ひいらぎ賞は馬連はアウトも3連複を拾い、これが意外とついてビックリ。ディセンバーSはマルカボルト本命で無難に。しかし愛知杯はかすりもせず。牝馬限定とはいえまさか古馬重賞で前半64秒8というのは・・・・・。あまりにもスローすぎる。アイスフォーリスが3着なら複勝だけでも当てることができたのに、4着までだった。

◆フジテレビへ移動。競馬予想TV。朝日杯の本命はコディーノで仕方なし。狙い目は千葉テレビ杯のダノンミル。こちらは自分の新刊に書いた12月の内容に従った。

◆帰途は国分寺まで乗り過ごしてしまい、貴重な時間を10数分無駄にする。帰宅して原稿を書き終え、ヘロヘロになって寝たら寝たで、たくみ氏が番組でエキサイトし放送禁止用語を口にしたら、プロデューサーが飛んできて、本番中にもかかわらずどなっている・・・という夢を見てしまい明け方に起きてしまう。ありそうな内容だけに(?)怖い。たくみ氏は夢の中にまでも現れて祟りをなす。

◆日曜は一転、暖かく好天の1日。ウインズパーク東京にも多くの人が入っていた。

千葉テレビ杯はダノンミル快勝で安堵。意外と3連単も付いたが、100円のみでは嬉しさも半減。

朝日杯はロゴタイプの1着はそもそも考えていなかったので、3連単は仕方ない。コディーノを負かすならゴットフリートだと思っていたし。

それにしても、番組で言っていたようにスプリングS辺りまでは無敗で通過してもらって、皐月賞で断然人気→消しを見込んでいたのに、早々に土がついてしまうとは。内容はもちろん悪くなかったし、最後は詰めてのクビ差なので普通に見れば良い負け方なのだが、これで今後は妥当な人気馬になってしまう。

痛かったのは3角手前。前の馬がフラフラするのを嫌った横山が、敢えて外へ出した(ように見えた)とたんに掛かって、一気に進出してしまったことだろう。折り合いを何より重んずる騎手だけに、急いで折り合いをつけ直して下げたのだが、そこからまた追い出しても馬が(おそらくメンタル面で)反応し遅れた。なんともチグハグだったが、ただあの掛かった勢いに任せてレースをしていたらもっと負けていた可能性もあるし、その辺はもう仕方ない。

ロゴタイプは外枠とあってスタートからデムーロが積極的に出して行った。これも掛かりそうになったところで、外からマイネルエテルネルが被せてきたことが幸いした。これで馬が外を気にした分、折り合いがつけられた。3角からの捌きはさすがというしかない。制裁点を確かあと5点くらうと来年日本で乗れなくなるだけに、無難な騎乗に徹するのは仕方ないけれど、今回は危ないところなく腕で乗り切った印象。

◆ここまで2週間組まれていなかった阪神芝1200mが、この週になぜか突然4鞍も組まれていた。今週はゼロ。偏り過ぎ。

◆以下お知らせ。

競馬予想TV、出演します。

そして府中の啓文堂書店と水道橋のオークスブックセンターでは、新刊の書店キャンペーンを23日の日曜に行います。当日の私の予想を3レース、付けさせていただきます。

・対象書籍が品切れになった時点でキャンペーンは終了いたします。

対象レースはいずれも午後のレースを予定していますが、本は早めに購入されるよう、お願いいたします。

・馬券購入は自己責任においてお願いいたします。

|


2012年12月14日 (金)

告知など

競馬最強の法則 1月号発売中です。

今回は通常の連載のみです。少し意外?かもしれないことを書いたのでぜひご一読を。

どの記事もお勧めですが、敢えて1つ選ぶなら年末年始の中山コースを形状、人気、波乱度などを徹底分析「金の成るコース」企画です。

サラブレ1月号も発売中。こちらでは有馬記念有力馬の血統解説をしています。

競馬予想TVは年内あと2回、共に出演します。

ラジオ日本は、最終週は土曜、月曜に登板です。あれほど愚策と叫んできた有馬記念翌日に出演が回ってくるとはなんたる皮肉(苦笑)。ただそれはそれ、これはこれ、仕事は仕事なのでベストを尽くします。

|


2012年12月13日 (木)

先週の競馬から

今日は期日前投票に行ってきた。とにかく今回の選挙演説はネガキャンばかりで、具体的な政策を訴えている候補が少ない。原発問題をはじめどの分野の課題も、綺麗事ばかりを並べ立てているように思える。

それにしても日本人は政局が好きすぎる。そして日本の政治家は選挙が好きすぎる。その時騒いであとは知らんぷりの繰り返し。

できれば最高裁の国民審査も、判例を調べてから行くのが望ましいですね。

昨日たまたまNHKつけたらマック赤坂の都知事選政見放送。衝撃、そして大笑。政見放送じゃなければかなり放送コード的に危ない?

書きたいことはたくさんあるが、競馬関係の記事だけでも追い付きたいので。

◆まずは新刊「競馬攻略カレンダー2013」、おかげさまで好評を頂戴しているようで感謝感謝。お読み下さった皆さん、どうもありがとうございました。

◆今流れている有馬記念のCM。昭和52年の有馬記念、「戯れにも見えた」という表現はあまり好かない。もちろんその後に「死闘にも見えた」と続いているのだが、この対比はあまりに安易だし、あのレースを語る切り口としてはハズレだと思う。あれは首尾一貫して「死闘にしか」見えなかった。リアルタイムで見た私には到底容れられないのだが・・・。

また「戯れ」という言葉を使うことであのレースの流れを表現するレトリックは、少なくともCM向きではない。説明が必要になってしまう。ならばいかに死闘であったかを端的に表現する方向で押すべき。

◆飯田、穂刈、千葉、野元騎手に続いて、今村、小林慎、芹沢、鈴来、そしてなんと渡辺騎手の引退が発表された。それぞれラストランは今週。特に渡辺騎手あたりには馬を用意する陣営もあるだろう。週末の乗り馬には注目。それにしても異常な事態だ。40年以上競馬を見てきて、こんな年は記憶にない。厩舎の廃業の急増と併せて、非常事態のベルが鳴っているような気がしてならない。

◆さて先週の競馬。いろいろと特殊な状況下の馬場だったと思う。

土曜の中山ダート。良馬場発表ではあったけれど、馬場は黒ずんでいて全く乾燥していない。凍結防止剤を入れた所へ、砂の飛散を止めるための散水を週末から何度かしたようで、なかなか乾かなかったのだろう。ほどよく湿って一番走り易いコンディション。現に道悪時並みの時計が朝から続出した。この日の良馬場は、稍重から重に近いコンディションとして個人的に記憶しておくことにする。

日曜は乾いて、通常の良馬場に近づいていた。

土曜の中京は向かい風の強風が吹き荒れて、中団あたりからの差しが決まりまくった。

中山競馬場でロケをしていた見栄晴氏と一緒にフジテレビへ向かう。昼間はさほど寒くなかったが、夕方からはかなりピリリとする空気が肌を刺した。

帰りは小林氏と。中京は風がやんだら傾向が一変するかも?という話をした。そうしたら案の定、翌日曜は風がかなり弱まったそうで一転して先行有利の馬場になっていた。もちろん、騎手の意識が土曜の競馬で後ろ懸かりになっていた面もあるだろうが。

◆阪神JFはショック。本当にサンブルエミューズで自信があったのだが・・・。直線に向いた時は楽勝と思ったのに、そこから過去2戦のあの沈み込むフォームにならず、突っ張った感じになって後退してしまった。津村騎手の乗り方に全く問題はない。実力の半分も出せなかった。

確かにこれまで横に馬を置いて競馬をしたことがほとんどなかったとはいえ、揉まれたというほど揉まれていない。あの程度で嫌気を差していたら競馬にならない。敗因は他にあると見ている。

ビデオを見直すと4角で一度ガクンと前にノメってリズムを崩したシーンがあり、あの辺で何かあったのではないだろうか。木曜時点では故障云々は出ていないようではあるが。

それにしても津村、勝たせたかったなあ。あからさまに津村をナメた論調の見解も目にしていただけに、一発決めて鼻をあかしてほしかった。

ファンタジー組ならサウンドリアーナよりはローブティサージュとは思っていたのだが、どのみち23着が買えないので予想は惨敗。

時計のレベルはソコソコも、むしろ出ていないオツウの方がインパクトがあって、この組からは大して印象に残らない。ペースや内容を考えたら最も強い競馬をしたのはクロフネサプライズということになるが、本当か?という気もするし。

しいて言えば、なんとか格好を付けたコレクターアイテムは悲観すべき内容ではない。回ってきた所を考えると勝ち馬よりは強いだろう。そしてまともに走った際のサンブルエミューズをもう一度見てみたい。

なお日曜阪神は強い向かい風だったとのこと。これも前崩れに拍車をかけたのでは。

◆香港国際競走、ロードカナロアお見事。ジャガーメイルはあそこまで行ったら勝たせてやりたかった。ただレッドカド―に負けてはいかん。マイルは残念。グランプリボスは特に海外遠征には向かないタイプの馬なのでは。

|


2012年12月11日 (火)

貴重な話&12月1,2日のこと

本日2本目の更新。早く更新のブランクを取り返さないといけないのだが、生来の怠惰さはいかんともしがたい。まあポツポツと。

★前回書き忘れたが、ジャパンC後の忘年会で、境征勝・元調教師と話をさせていただく機会を得た。故・勝太郎先生は場内FMのマンスリーレギュラーゲストを担当して下さった時期があって、まずは勝太郎先生の思い出話から始まった。

 そして恥ずかしながら私は知らなかったのだが、征勝先生は若き日に故・和田共弘氏に帯同してフランスに長期滞在したり、個人的に研修目的で渡仏、渡英、渡米を重ねており、60年代から70年代前半の海外競馬の生き字引のような方であった。パーソロンの勝ったイボアHの話、アリシドンの勝ったアスコットGCの話などが出てきて舞い上がる。ここを先途と、私が書物でしか知らなかった海外の名馬について、半分近くは私が質問攻めにしてしまって申し訳ないことをしたのだが(苦笑)。

 

馬ばかりでなく、レスター・ピゴットやフレディ・ヘッドの現役時代のエピソード(ヘッドはリファールやミエスクの主戦騎手であり、今はゴルディコヴァの調教師として知られている)や、ウィリー・カースン、パット・エデリー・・・・さらにさすがに先生もナマでは見られなかったそうだがゴードン・リチャーズの伝説や、和田共弘氏の功績などなど、それだけで一冊の本が書けるほどの貴重なお話を拝聴できた。

121日、土曜。師走の中山がスタート。初日はソコソコ人出があった。野芝が晩秋の厳しい寒さで例年以上に枯れているようだ。雨の影響が残った・・・というか、この日も突然雨がパラついたりはしたが、身を切るような寒さとはならなかった。

ステイヤーズSがこの日のメイン。トウカイトリックの勝利には本当に驚いた。ディープインパクトと同期の馬が、ディープインパクト産駒を抑えての勝利というのもドラマティック。北村宏騎手のコース取りも見事だった。

反面、かわいそうなことをしたのがメイショウクオリア。正面スタンド前の、観衆に最も近いところでの悲劇。1周目で骨折してしまっただけに、2周目入ってくる馬の妨げにならないようにと外ラチの方へ導いていく騎手、関係者の心中を思うと何とも言えない気持ちになる。

金鯱賞、トウカイパラダイスが3着だったら・・・・。

★翌日は東京競馬場。この日はとても寒かった。

阪神のジャパンCダート、ニホンピロアワーズはもちろん買ってはいたけれど、1着に来るとは毛頭考えていなかった。4角回った時のあの手応えはどうだ。エスポワールシチーも、大逃げには見えながらも別に暴走気味に飛ばしたわけではなく、59秒8程度なら、かつては粘って勝ち負けになっていた流れ(トランセンドが60秒0で逃げ切っているのだし)。その証拠にローマンレジェンド以外はすべて先行流れ込みの競馬になっている。

エスポワールシチーが全く走れていなかったということもあるが、もし粘っていても、この日のニホンピロにはねじ伏せられていただろう。それだけの強さだった。非社台、それも小さな個人牧場の馬が大きいところを勝つのは、日本競馬全体のことを思えば喜ばしいこと。

ただこの馬の場合、東京マイルのフェブラリーSでは適性が低いようにも思える。

 ローマンは急に今回ズブさが酷くなった。驚異的なゴール前だった前走の反動が出たのかもしれない。

|


2012年12月11日 (火)

気になる裁判

先週の競馬予想TVの楽屋で、亀谷氏としばし話題になったのが例のサラリーマン的中馬券配当金課税問題について。

その内容については勝手に書くと亀ちゃんにも迷惑がかかる恐れがあるので書かないけれど、個人的にはもちろんサラリーマン氏の裁判勝利を願う。

今回の件で弁護を担当している中村和洋弁護士のHPを知人から紹介された。

http://www.k-nakamura-law.jp/news/?s=2012120501ZB

このうち5番、6番、9番の主張は個人的には特に納得できるものだ。そして納税能力を超える課税の是非も当然問われるべきだ。

ただし12番について「分からない」で済ませているのは主任弁護士としてはどうなのよ?という気もする。なぜ発覚したかについてはいろいろ噂も流れているので、ここをシッカリ確認し公開しないと、個人のプライバシーに関することかもしれないがモヤモヤ感は残る。

それから経済評論家・山崎元氏のコラム。

http://diamond.jp/articles/-/28888?page=4

大筋において同感。ちなみに山崎さんは年季の入った競馬ファンである。その意味では当然の主張ということになってしまうが。

|


2012年12月 7日 (金)

今日はもう1本・JC当日+α

今日はもう1本。それでもまだ先週分が残ってしまいますが。

◆ジャパンCの裁決については以前書いた通り。

牝馬三冠馬と牡馬三冠馬が叩き合うシーンは、確かに見応えはあったし、日本競馬史を彩るものだろう。

ジェンティルドンナの偉業はもちろん称えられるべきだが、この週の競馬予想TVで亀谷氏が言っていたように、そもそも53キロなら3歳牝馬が過去にもっと出ていればさらに好成績になっていたはずだし、今後も斤量が今のままなら好走例が増えていくのは間違いないだろう。ファビラスラフインも全盛時のシングスピールとあれだけの競馬をしたわけだし、レッドディザイアも好内容だったし。

(なお3歳時のウオッカは女王杯取り消し明けの病み上がりでの024着。まともだったら・・・・)なのでことさらに驚くことでもないように思う。

◆見応えは確かにあったのだが、レースの時計からみた内容自体は水準以下だった。

◆市丸さんが競馬予想TVで見せたJC恒例の紙芝居はお見事。今回の外国馬の最先着を当てるのはなかなか難しかったと思う。私はジャッカルベリーかと思っていた。レッドガトーをセントニコラスアビーを基準馬として論理的に最先着とするのはなかなかできない。

秋口から、市丸さんとは「今年の海外馬の力量を図る上で物差し馬となるのはセントニコラスアビー」と話していたのだが、BCターフでトレイルプレイザーと戦ってくれたことで、尚更物差しとしての価値が高まったし、その見方はおおむね正しかったようだ。以前、この馬に日本馬が負けるようでは凱旋門賞制覇は難しいと書いたら、一部に顰蹙を買ったようだが、別に名のあるGⅠを勝っているから即強い馬と見るのは短絡的でしょう。

◆そう言えば予想TV本番前にドンと強い縦揺れ。揺れていた時間は短かったが瞬間的にはかなりの衝撃だった。

◆何とはなく今年のワールドスーパーJSは低調な印象。

◆シゲル16頭出しは残念ながら1勝のみだったが・・・・。今の日本競馬においてメイショウと共に異彩を放つ個性的な軍団。年ごとに冠号の下の名前をテーマを持って変えているが、相撲の決まり手という手がありますぜ。シゲルツッパリ、シゲルウッチャリ、シゲルソトムソウ、シゲルハタキコミ・・・・なかなかイケそうですよ。シゲルカタスカシとかシゲルトリナオシはちょっとナンですが。

◆翌26日月曜は大雨。1日ずれていたら結果はどうなっていたのだろうか?外国馬?それともオルフェーヴル圧勝?ジェンティルドンナは厳しかっただろう。この辺はもう運の領分だ。

◆羽田皓福山市長は投票率わずか29%という選挙で選ばれた市長であり(それにしてもこの投票率でも有効になってしまうのは法律の穴)、これまでの任期中にも福山城駅前の遺構を破壊して地下送迎場を設けるプロジェクトを推進し12万人の反対署名を受けたとか、世界遺産の価値があるとされる鞆の浦の港を埋め立てて架橋するプロジェクトを促進したりしたという方です。

なお鞆の浦はポニョで有名になった場所でもあり、そのためこの計画はテレビで頻繁に取り上げられ、当時の金子国交相が待ったをかける事態にもなったのは覚えている人も多いのでは。

別にだからどうこうということはなく、ただ事実だけを書いてみた。

|


2012年12月 7日 (金)

またしても空いてしまいました

被災地から離れたところに住む人にとって、早くも風化しかけた感のある地震災害。この2日間、М4前後が多発していていやな感じがしていたが、先ほど(金曜夕刻)、М7.3の大きな地震が観測された。津波警報も出ている。くれぐれも警戒心を解かず、心のどこかに備えを置くだけでもその後が違ってくるはずなので、気を引き締めるべし。天災の半世紀に入っていることを忘れてはならない。

風邪が思いのほか長引いて、なかなか鼻づまりと倦怠感が抜けなかった。なんやかやでまた結構空いてしまい申し訳ないです。

昨日木曜は、オルフェーヴルが結局体調整わずで有馬記念回避、そして土曜の朝日CCでジャスタウェイが熱発のため回避ということで、それまでに入れてあった原稿の差し替えや修正に、朝から何軒か追われた。

それにしてもオルフェーヴルの回避はとてもショックだ。まあ来年のことがあるから大事をとるのは仕方ないし、不安があるならそうすべきだと思うが・・・・・。こうなるとつくづくディープインパクトの偉大さを思い知らされる。

ただ売り上げも興趣も半減したことは否めない。競馬を盛り上げなければならない立場からすると、こんなことを言うのは正しくないと承知の上で、それでも嘆かずにはいられない。反論は大いにあるだろうが、個人的にはジャパンCよりも有馬記念に出てほしかった。(※スカイディグニティの有馬記念参戦の意思が今朝報道されたが、こうなったらこのレベルの馬たちがどんどん名乗りを上げて惑星として盛り上げてほしい。ダークシャドウも当初は回避のようだったが一転参戦表明。オーシャンブルーも回避しないで出てきてほしいものだ)

まだ放りっぱなしになっているジャパンC週のことをサラリと。

◆この最終週は、時計の出方が速まった。かなり馬場が堅いという談話もいくつか出ている。ここまでは比較的好ましい推移とコンディションだったが、最終週はやや偏った。

◆土曜の佐藤哲三騎手の大ケガ。武豊騎手のブログによれば、柵の危険性は以前から騎手会がJRAに対策を申し入れており、来年から改善されることになったその矢先の大事故だった。目を背けたくなるようなケガの診断名が並ぶ公式発表には慄然とする。あれだけのケガなら、外傷性ショックで命を落とす恐れもあっただろう。命に別条がなかったのは不幸中の幸い。

◆エピファネイアの京都2歳Sは、確かにいろいろ教えて乗っていた感じは受けたし、全力ではないから時計内容が低レベルなのも気にしない方がいいとは思うが、課題はまだまだ残っている・・・ように映った。

|


« 2012年11月 | トップページ | 2013年1月 »