目に見えるものが全て、現実が全てという考えは、一見正しいように見えるが、実は想像力を奪う。
過去よりもすべて今が正しく、進化しているという考えは、現在の問題点に目隠ししてしまう恐れがある。
特に何がというわけではなく、最近思っていたこと。
◆8日の日曜、東京競馬場は予報以上に雨が降った。お昼前から10Rあたりまで、普通に本降り。芝は思ったよりも悪く、滑るような感じの馬場になっていたと思う。
この日は取りガミや安いレースばかりでジリ貧。春菜賞も馬連ではほぼ本線も、3着エクストラファインがなくて3連単は逃す。メイショウサワヤカがもう少し内目の枠だったら・・・。
東京新聞杯は全くノーマークだったヴァンセンヌに勝たれる。この馬にとっては時計の掛かる馬場になったことがかなり幸いした。1分33秒台前半や32秒台の競馬なら対応できなかったのでは??
◎タガノグランパは、枠の不利はカバーしていたが、直線伸びそうなところから脚が止まる。ここを叩いてからだったか。エキストラエンドは去年後半に見せていた出負けがまた出てしまうが、むしろよく挽回した方。
馬券は最終で何とか形をつけて、この日はマズマズのところまではもってこれた。
きさらぎ賞、ルージュバックは強さを感じさせる牝馬。今後どこへ行くのか分からないが、どうせクラブの牡馬との兼ね合いで、普通にチューリップ→桜花賞→オークスとなるんだろうなあ・・・。
◆私は今まで知らなかったのだが、去年の京阪杯でスタートを嫌がったローブティサージュに、係員が虐待行為を加えていた。動画はネットに転がっているので見た人も多いと思うが、私はその日は東京競馬場にいたので、恥ずかしながらそのシーンは先日まで見ないままだった。
枠入りを激しくゴネたローブティサージュが一旦退避所に下がったところで三浦騎手が下馬。その直後、長い鞭を持った係員(JRA職員)がいきなり前方から強く馬にムチを腹いせのように叩きつけた。もちろんローブティサージュは恐怖でパニック状態。
三浦騎手は目隠しによる誘導を依頼したそうだが拒否されたという記事もあった。
枠入りしようとしている馬に対してではなく、枠入り態勢になくただ立っている
だけの馬に、しかも馬を制御できる騎手がいない状況で長ムチを振るった行為は
言い訳がきかない(馬が暴れ出したらどうするつもりだったのか)。
さらに、ムチを、馬に見える位置から、しかも前方から打ったことは馬の恐怖感
を増大させる。スタート前の「商品」である馬に、肉体精神的苦痛を与える行為
を不必要な所で行ったことは公正競馬の成立も否定する行為。
私も知らなかったので大きなことは言えないが、当時の新聞は、後から調べたところこの件を取り上げておらず、事後に問題提起したのも「競馬最強の法則」くらいのものだった。
JRAも、レースでのムチの使用制限をするくらいなら、完全に虐待の範疇に入る(しかも痛さと恐怖はレース中のムチとは比べ物にならない)今回のような心ない行為こそ厳しく取り締まって、この係員に対ししかるべき処分を下さないとおかしい。馬を扱う資格のない人間なのだから配置転換をすべき。適性がないことは、この蛮行で明らかなのだから。
とにかく嘆かわしい、そして腹立たしい酷い行為だった。