平成最後の日に
平成最後の日は、帰省して実家の用事など。夕方帰宅。もっと東京には人がいないのかと思っていたが、しかも雨なのに、交通機関はすべていっぱいで、都内もなかなかの混み具合。
前にも書いたかもしれないが、自分の平成はほぼ社会人としての時間がイコールとなる。希望通りFMラジオ番組の制作会社に就業し現場10年、フリーとなって2年。ラジオから競馬ライターに移って20年弱。その間、ただただ馬齢を重ねるだけだった。とはいえ人並みに家庭を持てて、大病もしなかった30年、贅沢を言ったら罰が当たる。
社会的な出来事で印象的なことを1つ選ぶなら、FM東京の主調整室のテレビ映像で、その日泊まりだった技術さんや他のディレクターたちと呆然と見ていたベルリンの壁崩壊の瞬間。あれから雪崩を打ってそれまでの体制が世界中で崩壊していった。もちろん海外のことだから元号云々は関係ないのだけど、平成の自分がリアルタイムで体験したこと、という意味で。
国内的には、やはり天災人災の30年だったと言える。またバブルに始まり、崩壊後のさまざまな浮かび沈みや政局を見るにつけ、独り勝ち、勝ち馬に乗ることが正義の30年だったという気がしてならない。正か邪か、善か悪か。叩くか礼賛するか、2進法のような時代と言ってもいいだろう。
競馬においては、平成末期の10年間は、とにかく自分にとってはトライアル&エラーというか、スクラップ&ビルドというか、新しい手がかりを見つけてはそれを捨てての繰り返しとなった。それはこの10年間に競馬を巡る制度、状況、馬場などが目まぐるしく変化したからだ。何か1つの方策に縋っていると、すぐにそれが破綻する。 だからデータのたぐいも、短いスパンでいかにその限られた時期の正鵠を射るかが問われる。統計学におけるサンプルやスパンは、競馬では通用しなくなった。むしろ長いスパンでは全くの見当違いとなってしまう。適応能力を養い、臨機応変の対応力をつけていくのは、中年後半になった自分の堅い頭ではなかなか骨だった。令和になっても当面の数年は、そうした状況が続くことだろう。
もう1つ、平成前半の、昭和から続いた物語性の競馬から、馬主や厩舎、馬券中心の経済性の競馬への大きな移行も見逃せない。もっともこれは、日本経済のシフトチェンジに伴ったものであることはいうまでもない。
先週の競馬ブックで企画されていた、平成名勝負、自分も選んでみた。ただ、自分としては、名勝負というのは1頭が圧倒的な強さを見せたレースは定義を外れると強く感じるので、複数の馬がスリリングな攻防を繰り広げたレースという前提をつけた。GⅠ限定、順序なし。
キングカメハメハの勝ったダービー(平成16年)、アルカセットの勝ったジャパンⅭ(平成17年)、ウオッカの勝った天皇賞秋(平成20年)。平成真ん中あたりに集中しているのは偶然?
平成最後のJRAのレース、京都最終の馬券は全くの空振り。最後は当てて越したかったが・・・。まあ元号が変わっても気分以外の何が変わるわけではないのだが、引き続き締めて何事も頑張るしかない。週末の競馬関係は次回以降に。
お知らせ。
★5月19日、オークス終了後の夕方18時半から、競馬ラボが渋谷のロフト9渋谷にてダービー予想イベントを開催。私は大島麻衣さんとMC担当。見解も少し話します。ゲストは安藤勝己さん、東スポ舘林記者、大スポ松浪記者、スペシャルゲストにかまいたちのお2人。前売りチケットは発売中!内容とお求めは
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をご覧ください。
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