10月25日・日曜後半と空撮ヘリ問題
で、菊花賞。大逃げ気味だったキメラヴェリテは13秒台を1回しか刻まないラップを踏んたが、2番手バビットの通過で平均やや遅めくらいの感じではなかったか。大きく緩んだところのない、良い菊花賞だった。勝ち時計も馬場を踏まえれば高いレベルにあったと思うが、ただ2頭だけで直線抜け出しての併せ馬叩き合いの競馬は、必要以上?に時計が出て3着との着差が開くもので、あくまで数字という評価に留めた方がいいと思う。
コントレイルは、確かに苦しんだけれど、皐月賞におけるシンボリルドルフとビゼンニシキのそれのような感じで(古すぎ)、着差ほどには危なげは無かった感じもある。レースが盛り上がったのは、しっかりした逃げ馬がいたこと、何より一にも二にもルメールの「せめて一太刀」精神と、アリストテレス自体がそれに応えられるだけの成長を見せていた点にあるだろう。
コントレイルにとって3000mがベストでないのは戦前から陣営もマスコミもファンも認めていた通り。だがそれでも勝ち切れるあたりが絶対能力の高さ。もう少しレベルが低ければ、過去に何度かあった「ステイヤー型の下克上」をアリストテレスが果たしたと思うが、コントレイルの世代内レベルがそれを超えていたということ。今後は古馬との比較、そして成長力でコントレイルを上回る馬が出た場合の対応力とみる。さすがにこれ以上の上積みは見込みづらいので・・・。
アリストテレスは大健闘も、今後拮抗できるまでに至るかというと分からない。何となく、第二のリンカーンがイメージされるが。
3着サトノフラッグには脱帽。距離も能力も足らないと思っていた。ブラックホールは大健闘の5着。ヴァルコスは発汗が目立った。スタミナはあるのだろうが、メンタル面でどっしりしてこないと、この距離は難しいかもしれない。
ヴェルトライゼンデは、前走の反動もあるのだろうが、やはりオルフェーヴル・ドリームジャーニーの全兄弟産駒にとって、3000以上は長いという感じも拭えない。
さて◎としたバビット。キメラヴェリテが離し逃げしてくれたので、単騎ハナと同様の展開になったのはよかった。むしろ、ガロアクリークやディープボンド(コントレイルの同オーナーだ)が意外とくっついてきたことで息が入らなかったことの方がきつかったか。仕上げ切っていて、馬のネジを巻きすぎたきらいもある。この辺は、大一番へ向けてやるだけのことをやるという考えもあるので、紙一重で裏に出たのだろう。よくあることで仕方ない。それでも、直線入り口で一旦は突き放そうとしたところで意地は見せた。無事なら、コーナーの多い有馬記念でもう一度みたい。
ツイッターでさんざん文句を垂れたが、やはり空撮ヘリコプター騒音問題はここでも触れておく。いくら良い映像が撮れても(私は特に良い絵とも思わないが)、やっていいことと悪いことがあって、これは競馬においてはやってはいけないこと。そもそも、大レース鈴なりのパドックで「お静かに」という札をたくさん立てているJRAが、この空撮に許可を出す意味が分からない。今回はパドックからレース中、ずっとバリバリ不気味な音がテレビからもうるさく感じたほど終始鳴り響いていたし、当日中継にあたった他局スタッフからは「ヘリ音がマイクが拾うのをどう防ぐかが大変だった」という声もあった。ツイッターのタイムラインにも非難のつぶやきが並んだ。
馬はものを言わないので、どんな影響があったのか、あるいはなかったのかは人間には分からない。ただ、通常聞きなれていない音に対しては過敏に反応することは間違いないこと。ならば、晴れ舞台の妨げになる「可能性のある」ことは、極力人間の側で排除する方が、ファンはともかくとして、競馬施行者やマスコミはじめ競馬で恩恵を受けている立場の人々にとっては正しい振る舞いだと思う。
ドローンなら、という声もあるけれど、たまに報じられるドローンの墜落トラブルなどをみると、個人的にはドローンもNGという考えだ。そもそも、事故や馬の精神を乱すというリスクを冒してまで、空撮の絵が競馬中継に必要だろうか?
話を戻す。菊花賞の馬券はもちろんハズレ。〇▲だったけれど、コントレイルがらみの縦目馬連やワイドを買っても仕方ない配当だったし。3連系もサトノに来られたらお手上げ。
新潟最終のショウナンマリオは、今見ても惨敗の理由が分からない。かなりショック。ただ、東京最終の★マローネメタリコが大健闘してくれたおかげで、笑って終わることができた。◎カミノコは3着外さないとしてワイド相手1点の馬券を買っただけに、最後の写真判定はドキドキしたが、なんとか取り切ってくれた。負けていたのでワイド1点に注力した(買えなかった・・・?)甲斐があって、これで9R以降の負けが戻ってきたのみならず少し浮いた。マローネメタリコは今日の穴馬コラムで配信していたので、いくつかお礼のメールやツイートを頂き、安堵の胸を撫でおろす。
これで何とか前週の振り返りが間に合った。今週末は、競馬予想TVに出る。今回出るとしばらく間が空く予定。ラジオ日本は13時から14時半担当。YouTubeチャンネルは、もちろん天皇賞秋を配信します。アーモンドアイの見解と、穴の魅力のある2頭を紹介。ただ、本命をこの3頭から打つのか、はたまた違うところに打つのか、原稿締め切りギリギリまで足掻くことにします。
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