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2021年11月

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2021年11月26日 (金)

雑記

◆YouTubeチャンネルの登録が8万名を突破した。年内に行ければいいが・・・と思っていたのだが、おかげさまで想定していたより遥かに速く達成することができた。本当にありがたいことである。心より感謝。引き続きよろしくお願い致します。

◆あっという間に師走目前。原稿も年末進行のスケジュールが聞こえ始める頃だ。
 大して気にしていなくても、ニュースやら何やらで紅白がどうとか、レコ大ノミネートがどうとかいう記事は目に入る。見れば、紅白もだいたい3分の1近く、レコ大に至っては8割くらいが知らないシンガー、ミュージシャンの曲になってしまった。立派な「取り残され爺」になり掛かっている。
そういえば、この間調布駅のホームで電車を待っていたら、女子高校生と思しき3,4人が、がに股のままその場でスキップを踏んでるようなダンスをしてキャーキャー盛り上がっていた。元気な様子は微笑ましくも、珍妙な振り付けに、ダンス部とか演劇部とかの、何かの奇を衒った出し物の振り付けなのかと思っていたら、後日どうやらAKBの新曲のダンスだったことが判明。またブームが再燃しているのか。テレビで全体を見たらなかなか格好は良かったが。

◆藤岡佑介騎手のセリフォス交替の件。もちろん勝負事の世界であることは承知だが、短期騎手免許が再開された途端にこれというのも。何より、あくまで噂であることはことわっておくが、すでに次走の騎乗も依頼したあとの突然の交替だったとするならば、やはり釈然としないものは残る。
真相は分からないし、分からないことをあまり取り沙汰しない方がいいのだが、ただ藤岡佑騎手を慮った池添騎手のツイートを見れば、他の騎手たちは当然次も藤岡騎手が乗るものだと思っていたということで間違いないし、トレセン内でのみ知れる類の情報に触れた上での発言なのだろう。自分も一般戦だが乗り替わりを通達されたと明らかにしつつ「もっと上手くなろう、頑張ろう」とそのツイートを締めているのだが、あれほどまでの実績を残している騎手にしてこの扱いは・・・・。何とも切なくなる。
 
今回の件とは関係ないが、国内の中堅以下の騎手には、たとえば馬の脚元などに不安のあるコンディションの時に依頼されて、脚がパンとしてくるとあっさり上位騎手に明け渡される事態が珍しくない(これは妄想でもなんでもなく、以前の拙著を書く時の取材で関係者にインタビューした時に明かしていたことである)。そういう状態の馬を依頼されていて、懸命に動かして掲示板に載せても「アイツじゃなければもっと走れた」と言われるし、次走不安がなくなって乗り替わられて好走すると「●●騎手を乗せたからガラリと変わった」と揶揄されるし・・・・。確かに目を覆う乗りへぐりもあるが、それは上位騎手でも同じだ。もちろん上位騎手はミスが少ない上に技術を磨いたからこそ、その地位を築いているのは承知であるが、下の騎手が成績を上げるのがしんどい状況がちょっと強すぎるようにも思える。過保護にしろとは言わないが、馬主や調教師の意識変革も望まれるところだ。

◆今週末の出演関係です。
ラジオ日本は土曜の14時半から最終終了までを担当します。
競馬予想TV、27日は出演します。その次は阪神JF週となります。
YouTubeチャンネルは金曜深夜に更新されます。大スポの松浪さんをゲストにお迎えしました。

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2021年11月25日 (木)

11月21日・日曜の競馬

 来年から3勝クラスの出走ルールが変更されることになった。降級廃止で上のクラスの詰まりは目に見えていたので、遅すぎたくらいだが、もちろん歓迎すべきことである。このクラスの除外ラッシュが改善されるわけだ。
 そのうち、未勝利馬の出走制限は現行よりさらに厳しくなって退厩を一層促進し、その分1~3勝クラスのレースを増加させる可能性もあると思う。
その一方で阪神6Rは、未勝利のまま残留して1勝クラスを勝ち上がった馬同士のワンツーとなった。今となっては珍しい「勝って同条件」の2頭だったわけだが、もし先述の事態になれば、それだけの能力を持った馬であることを信じて残す陣営の眼力と執念も、より大事になってくるわけだ。

 阪神4Rは、PОG指名馬アストロフィライトが初出走で勝利。切れはさすがだが、まだフワッとするところがあり、ゴール寸前は詰められた。幼いが器は大きそう。今年は11頭指名ルールですでに3頭が故障、あるいは病気なので、この馬には期待がかかる。

 福島7Rには、個人的に縁のあるフミチャンが出走。当初予定していたレースに出られずやむなく回った鞍だったし、近走不振で全く人気がなかったが、亀田騎手の好騎乗もあって、直線は2着もあるかという脚。実況に完全に無視されて直線は一度も名前が呼ばれなかったが(苦笑)、最後は4着。大健闘だ。中山になると、芝ではメンバーが強化する上に最後の坂がどう出るかだが、ダートでも走れるだけに、調子が上がれば楽しみだ。

 東京7Rは、私にとっての先週のクライマックスだったのかもしれない。自分のサイトや競馬JAPANのプレミアム勝負レースに指定した鞍で、◎は単勝119倍のレッドカルム。思惑通り逃げてくれて、粘りに粘る。勝ち切りまであるかと、全身の血が逆流しかけたが・・・。最後の最後に捕まってしまい5着まで転落。せめて3着なら・・・。ただ特注としたペプチドオリバーが勝って、対抗キングスフィリアが2着となり、タテ目配信の馬連を指定していたのがせめてもの救い。

 マイルCSの予想は完敗。このスローペースは想定できなかった。近10年でも前半3Fが最も遅い。想定した勝ち時計はほぼ正しかったが、中身がまるで違っていた。高速上がりになればグランアレグリアにお誂え向き、馬場も硬くなってきたのだと思う。詰まったローテでも見事に花道を飾った。
そしてもしかしたら、これが藤澤和雄調教師にとって最後の中央GⅠ勝ちになるかもしれない。初のGⅠもこのマイルCSだったわけで、この辺もなんという綾か。
シュネルマイスター以下、掲示板の馬たちはそれぞれ力を出せている。サリオスは6着。やはりマイルは合わない。その理由は私のサロンの方で会員さん向け原稿に書いた。

◆最後はお世話になっている出版社・秀和システムから新刊のお知らせ。

秀和システム【革命競馬】シリーズ最新刊!
『勝つ!儲ける!極める!オッズ馬券幸福論』 定価2200円 11月30日発売

「『競馬予報』とは一日のレースの中で、どのレースが波乱になるか、どのレースが堅く収まるかを判定することを指します。それぞれのレースの性格を見極めるまでは、けっしてレースの検討をしないのが私の馬券検討法の第一歩です。
『競馬予報』で使用するオッズは当日朝9時半のオッズです。そのオッズを使用し、一定のルールをもとにしながら、一日のレースを『大穴型レース』『中穴型レース』『本命型レース』に振り分けていきます。そして『大穴型レース』として分類されたレースだけを波乱レースと認定し、穴馬を見つけ出していくのです。
 すなわち「波乱レースで穴馬から馬券を買う」が基本となっています」(大谷清文)
オッズ馬券術の大家・大谷清文の集大成がここに誕生!全7章・100項目にわたる大谷式オッズ馬券術のノウハウと回収率アップ術を公開する。馬券を買う者にとっての幸福とは「無駄な馬券を買わず、波乱レースをジャッジし、確実に穴馬券を獲る」ことにあるのだ!

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2021年11月24日 (水)

11月20日・土曜の競馬

 11月18日は私用で浦和へ。埼玉と言えば、目的地として訪れたことは実はほとんどなく、たぶん3回西武ドームに行ったことを加えても10回いくかどうか。目と鼻の先の所に住んでいるのだけど。
 19日はYouTubeチャンネル撮影と連載原稿締め切り。年末発売号なので、恒例の競馬界重大ニュース(まともな目線ではなく捻りまくりの私見からの選出)がテーマだ。なんと1年は速いのかと当たり前のことを毎年感じざるを得ない。
 そういえば、夏から秋口あたりに「今年はインフルエンザが流行する」とニュースになっていたが、少なくとも私の周りや目にする記事ではまだほとんど聞かない。ワクチンが払底していて、調べたら予約もほとんどできずキャンセル待ちのようで、接種を諦めているのだけど、このままなら打たずに乗り切れるか。

 20日の土曜は東京競馬場。晴れて穏やか、黄金色のイチョウの葉が輝いて青空に刺さるよう。
 先週は来ていたキッチンカーを楽しみにしていたら、この日は出ていなかった。残念。
 東京芝はCコース替わりもあり、時計の出方は少し戻していた。それでも内目はボコボコし始めているが、例によってそこを通ることが不利にはなっていない。内も外もなく伸びている。週後半に雨がなければ、最終週の馬場は硬くなっていきそうだ。
 数字で見る限り、阪神芝も時計の出方が戻っているようだ。前週は外差しに傾きかけていたが、この週はさほどでもなく、外回りでは空いた内へ突っ込んで伸びるシーンも。こちらもおそらく硬くなり始めていると思う。

 東京9Rの晩秋Sは、〇◎▲で安いながらもしっかりと。ラジオの担当は10Rからで、ここも◎▲で来てくれた。ただ、ランドオブリバティを消したのはやり過ぎだったか。前走の不利云々で過剰人気になると思ったのは正解だったけれど、連対しなかったのは救い。

 メインの東京スポーツ杯2歳S、今年は粒が揃って登竜門の名に相応しい。勝ったイクイノックスには◎打てなかった。
武豊をもってしても操縦が難しかったアルナシームが妙な動きをしてラップ構成がイレギュラーになっており、これも見直すと興味深い。東京の中距離戦でラストから3F目が最速ラップなんてそうそうないだろう。イクイノックスは脚をしっかりとタメて、レースラップが落ちたラスト2F目で一気に取りつき、そのあとは自らの切れでまた加速した。キタサンブラック産駒とは思えない瞬発力。今年から子供を送り出しているわけだが、自分の現役時とはイメージがかなり異なる馬が多い。

 12Rは◎ウインシャーロットが勝ち切ったが、2着馬が抜けてしまった。痛恨。あと1頭△を回せばこれか?と思っただけに・・・。この日は◎が珍しく多数連対してくれた。
 東京競馬場から直帰できるのが最も時間的に楽というか、気分にも余裕があるのだが、今年はこの週が最後となった。

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2021年11月17日 (水)

11月14日・日曜の競馬

京王杯2歳Sの覇者キングエルメスが故障、そして先週京都JSを勝ったケンホファヴァルトも故障と残念なニュースが続く。その一方でディープボンドとアカイイトが有馬記念出走決定。そしてステイフーリッシュが香港ヴァーズへ、レイパパレも当初の予定通り香港へ。マイルは違うと思っていたので、カップは正解だと思う。スプリントのレシステンシアとカップのレイパパレにはスミヨン騎乗が発表された。

 さて日曜の競馬。福島5Rの障害戦では、くも膜下出血で休養していた高田騎手が復帰戦で勝利、ガッツポーズが決まった。イベントで2度ご一緒させてもらっているので、なおのこと喜ばしい。そして10Rでは松岡騎手が復帰後初勝利。こちらも1度トークショーに出て頂いた。その時は北村宏司騎手も一緒だったなあ・・・。今週こそは北村騎手の復帰後初勝利を。

 この日は銀嶺SとユートピアSをがっちりで調子よく、また福島記念も◎ヒュミドールが2着に来てくれて流れよくGⅠを迎える。オーロCはお手上げだったが・・・。
阪神芝はやはりパワーシフト。力が抜けていた黄菊賞のジャスティンパレスは別にして、支持を集めたディープ産駒が苦戦している。これなら女王杯の見立てもまずはクリアとひと安心。

 その女王杯については、もう繰り返す必要はない。ただ★アカイイトがあんなに強い勝ち方をするとは思わなかった。◎ステラリアが直線入る所で不利を食らったので絶望しかけたが、外から巻き返して伸びてくる姿が目に入ったら、あとはもう自宅に居るのをいいことに、松山騎手の名を連呼連呼連呼。なんとかクビ差届いての2着、こちらとしては運が良かった。たまにはこういうこともないと。メッセージをツイッターやメールで下さった方々には、改めてこの場で失礼ながらお礼申し上げる次第。

 さてウインマリリン。今回は事前に調教師も騎手も脚部不安を公言していたので、惨敗してもそれほど糾弾するようなコメントは、私の見る限りファンから出ていない。まさに馬券は自己責任で、不安があることを事前に出してくれれば、あとはこちらで考えるというのが正しいあり方なのだ。これを責めると、なおさら関係者は口が重くなってしまう。(ただ、これをハッキリ伝えていない媒体もあった。)

 もっとも、対ファンはそれでいいにしても、馬のことを考えると、果たして最良の選択だったのかの疑念はどうしても残る。この件がそうだとは言わないが(誤解しないでいただきたい)、一般論として、レース選択における調教師の権限が昔ほど強くないのは確かだ。現場が使いたくないともし思っても、一存で決められないこともあると聞く。
今回の出走について間違いなく言えるのは、レース中に大ごとに至らなくて良かったということ、これに尽きる。
 動物愛護云々の声がこのところまた高まってきていて、競馬に対する風当たりも強いようだが、現役生活時しか関われないファンやマスコミにとっては、少なくともその期間はケガなく、病気もなく順調に過ごしていってくれるのを願うのみだ。もちろんそんな例は極めて少ないのだけど。

 さて告知ですが。
◆月刊競馬の天才は現在発売中です。
◆ラジオ日本は14時半から終了まで担当します。
◆YouTubeチャンネルは金曜夜の更新になると思います。
◆競馬予想TV、私の次回は27日になります。

 

 

 

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2021年11月16日 (火)

11月13日・土曜の競馬他

 11月10日水曜は、ゲラ渡しと事務打ち合わせのために、担当編集者と会う。1年8ヶ月ぶりに他人と会食。1対1、ワクチン済み同士でアルコール入り。ものの2時間も居なかったが、対面で話すことがこれほどエネルギーを使うとは。

 12日の金曜は、東京女子医大病院での定期検査。甲状腺の数値がかなり改善しており、今回から薬の量が減った。帰りは所用があり、新宿三丁目で地下鉄を降りて久々に新宿を歩く。しばらく来ない間に三丁目から新宿駅までの雰囲気がかなり変わっていて驚く。閉まった店も少なくない。居抜きで業種が入れ替わったところが目立つ。30年ほど前、ラジオの仕事をしていた頃に見つけてからたまに行っていた、庶民的なタンメンと野菜焼きそばの美味しい中華料理店が無くなってしまっていた・・・。

 13日土曜は東京競馬場。この1週間で一気に府中の森の紅葉は進んだ。秋の陽が反射してまぶしいくらい。競馬場内にキッチンカーが戻ってきており、3年前あたりから好評だったワンハンドピザとウインナーの販売が再開。
そしてメモリアルスタンド前のベンチが、これまではひっくり返されて使えないようにされていたのだけど、この日から使用が許可されて、係員が座る部分を雑巾かけしていた。

 阪神の午前中だけでなんと3鞍も大差勝ちが出た。障害戦は含まれておらず、かなり珍しい事象ではなかろうか。

 東京8Rはリフレイムが、直線でまた少し外へ逃げながらも2番手から押し切った。広い競馬場で、多少行儀が悪くなっても伸び伸び走れたらやはり強い。ほぼ1年ぶりの勝利で準オープンまで上がった。気の難しさがある馬は、それが出ている時の方が調子がいいというのは昔から言われていることだが。

 東京9Rのオキザリス賞、勝ったドライスタウトの強いこと強いこと。時計は古馬3勝クラスレベル。シニスターミニスター×アフリート。

 京都JSでは53歳熊沢騎手が重賞制覇。まあそれをいったらノリさんも同年だし、ヨシトミさんはさらに2つ上なのだけど。

 ラジオは東京10Rから。そこは手堅く的中も、11Rの武蔵野Sはタテ目を食らった。◎ブルベアイリーデも、一瞬来たかと思ったが、4角で受けた不利があったとはいえ、ゴール前は脚が鈍ってしまっての4着。〇ソリストサンダーはハイペースと外枠が相まって楽に勝ち切った。△エアスピネルもまだまだやれる。
 12Rは▲〇△。信頼した◎ディアノイアがスタートで出負けして砂を被りまくる。それでも内ラチ沿いからジリジリ伸びてはきたのだけど・・・。まともに出られていたら。

 お台場への移動は、開催日の正門前駅からの本数が増えたので、府中まで歩かずに競馬場線で東府中へ出て新宿へ。新宿駅のカレースタンドで夕食をとってからりんかい線直通。地上に上がると完全に暗くなっていた。この時間帯の人出も、以前の8割近くは戻ってきている。家族連れが中心に見えた。

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2021年11月11日 (木)

話題の多かった11月7日・日曜の競馬~BC、そして珍名馬考

 日曜、朝7時ころ目覚めてみると、ラヴズオンリーユーがBCフィリー&メアターフを勝っていた。まあ後出しみたいだけど、識者の前評判でも勝てる可能性はかなり高いと言われており、快挙ではあるが決して意外ではなかった。馬の能力もさることながら、むしろ、その高い期待に異国の地でしっかり答えを出した陣営の手腕の方に敬服。そしてディープインパクト×ストームキャットの偉大なるニックスにも感謝。


 と思っていたら、まもなく更なる大仕事を矢作厩舎がやってのける。中継映像もリアルタイムでは流れず、馬券も売られなかったBCディスタフをマルシュルロレーヌが制したのだ。僅差であるが、北米ダートGⅠを日本馬が勝つ時代がやってくるとは。日本生産馬ではなく日本調教馬なら、GⅡのピーターパンSでカジノドライヴが北米重賞初勝利を達成していたが、それより遥かに大きい。多くの方が書いているが、その血統表に並ぶ日本の名馬名牝の血が凝縮されている点にその意義があることは言うまでもない。
 展開がハマったことも確かにあるのだが、やはりここ一番での大仕事、爆発力は、父方の祖父ステイゴールド、そのステイの血を支配するディクタスに由来するものだろう。

 ただ、そうしたメンタルの面ではステイゴールドの血が貢献しているとはいえ、マルシュロレーヌはあくまでオルフェーヴル産駒であって、ステイゴールド産駒ではない。今回のダートの大舞台で勝ったのは、やはりオルフェーヴルの血を支配しているノーザンテーストあればこそと思えるのである。
そもそも以前にも書いたけれど、ステイゴールドとオルフェーヴルは気性以外はあまり似ていない。オルフェーヴルの方が脚力、パワーは父ステイゴールドより上で、その分良い意味で「いなたい」ところがある。その強い脚力にまつわっているいなたさ、野暮ったさはノーザンダンサーというか、まさにノーザンテーストのものだ。極東で育まれたカナダの血が、北米大陸へ里帰り?したとも言えるのである。これぞ血の交雑の不思議、面白さ、競馬の本質の1つ。

(そういえば、サッカーボーイがディクタス×ノーザンテーストで言わずと知れたステイゴールドの近親馬。オルフェーヴルとサッカーボーイは近親とは血統上言わないが、個人的にはかなりサッカーボーイに似ていると思うが)

 それにしても、生放送放映権料の高さから泣く泣くとはいえ、勝つ可能性が低いとしてディスタフの放映を回避してしまったのは、JRAにとって痛恨であったろう。ターフが日本馬不在であったことを思えば、馬券対象はともかくとして、ターフを捨てて日本馬が出るレースに決め打ちした放映でもよかった気がする。これで来年以降もBCへの挑戦が加速すると思うが、放映レースの選択には一考の余地。

 海外といえば、先週勝利を書き忘れたけどメロディーレーンが有馬記念を目指すことになり、その後サウジアラビア遠征を視野に入れているというニュースも出た。そのためには少しでも箔をつけておく必要がある。確かに日本のレースだと、使う所が限られるので、メルボルンCを頂点とした海外のレースにヤマを持っていく発想は大アリだろう。春の天皇賞には出てきてほしいけれど。

 さて,肝心の日本の競馬が始まる前に仕事が終わってしまった感もあり、寝ていた割には午前中から気分が疲れてしまっていた(笑)。珍名馬が多く勝った日として、一般のニュースで話題になった妙な日だったけれど、オヌシナニモノも日本語だから珍名に聞こえただけで、たとえばこの日勝ったカラフルキューブだって直訳すれば「イロトリドリノリッポウタイ」で、日本語なら(9文字を超えてるけど)珍名になるわけで・・・・。福島7Rを勝ったゴールドフィンガーは007を考えず直訳すれば「オウゴンノユビ」だし。まあアナゴサンには参りましただけど。
あとオニャンコポンは意味を踏まえると珍名に入れていいものかどうか(アフリカ西岸諸国で信仰されている太陽神)。ちなみにつながったひとつの語で、アクセントは「コ」にあるそうだ(水上調べ)。私は知らなかったのだけど、前にツイッターで書いたように進撃の巨人から持ってきたのは疑いないところ。

 アルゼンチン共和国杯は内容的には凡戦だった。オーソリティはさすがにトップハンデでも、この相手ならと言ったところか。みやこSは後半の動き方が急で、最初に仕掛けた組が呑み込まれて、さらに後から動いた2頭が上位を占めたが、その流れでありながら逃げたアナザートゥルースが3着に粘ったのは印象的。

 個人的には、もちの木賞で人気薄のコンスタンティンから勝負をかけて玉砕。福島の9Rで助けられ、福島11Rの1,3着ワイドで多少回収できたが・・・・。全体的にはやや負けた。

 今週末。ラジオ日本は土曜の14時半から最終まで担当。競馬予想TVは出番があります。YouTubeチャンネルは金曜に公開となるでしょう。

 

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2021年11月10日 (水)

11月6日・土曜の競馬他

 12月発売の拙著をようやく書き終えて、あとは赤入れを3分の1くらい残すのみとなった。去年の今頃は胆石手術直前で検査続き、ルーティンの仕事をこなすのに精いっぱいだったことを思えば、よくぞ復活したものだ。ただ、やはり胆石発作が出る前の内臓のコンディションとは違う。少し食べすぎただけで調子が狂うし、油物が少しだが弱くなった。気圧や気温の急激な変化で右わき腹に鈍痛もまだ走るし、この辺は術後まだ1年だからなのか、一生付き合う症状なのかは分からない。

 復活と言えば、私と同じにしてはいけないが、先週土曜に松岡騎手と北村宏司騎手が戻ってきた。競馬場からは復帰騎乗に拍手が湧く。無事に先週を乗り切れたようで何より。特に松岡騎手は一時かなり危険な状態だったこともあったと聞くだけにひとしお。
高田騎手が調教を再開し、来月早々には藤田菜七子騎手も戻るとのこと。あとはまだ先になるが、北村友一騎手の姿が見られるようになれば。

 こちらも復帰と言えば復帰なのだが・・・・木村厩舎も再開した。一応は裁判を通じてけりが付いたことなので、判決などについて具体的に個人的な意見を述べるのは差し控えるが、対JRAということでいうなら、先週の週刊競馬ブックで日経の野元さんがJRAの処分に対し「調教師の業務停止期間が短すぎる」と主張されたことには賛成したい。こちらも裁判中なので細かいことは言えないが、須貝厩舎に対し馬房減を下した処分と比べると、見方によっては軽いと思う。
須貝調教師にはいわゆる「お灸を据える」という程度の処分が適切だと思っているのだが、お灸にしては少し重すぎる。木村調教師は暴行罪が成立する事件なのに、一時的に厩舎の馬が動いただけで、もう元に戻っているのだから・・・。こちらの方こそ、一時休業だけでなく馬房減などの罰則を与えるべきだったのではないだろうか。

 6日、土曜の東京競馬は終日穏やかで風もほとんどなかった。ただ時折かなり灰色の濃い雲が流れてくることもあり、上空は不安定だったのだろう。
 この日はオールザットジャズの子でコルトレーンが出走、そして前にも書いたが、さらに粋なことにナリタカサブランカの子でプレイイットサムが出走。珍名馬もいいが、こういう馬名にこそ味わいを感じる。ホットコーヒーが飲みたくなる(ジャズ喫茶、古い)。

 ラジオ日本の解説はこの週から午後後半に移り10Rから。口開けの10Rは圧倒的人気の◎イルーシヴパンサーは勝ったけれど、シンボを嫌ったら2着に割って入られた。
 11Rの京王杯2歳S。スタートのファンファーレが鳴ると、ターフビジョンには、京王の社杯レースになると登場する電車のアニメーションとキャラクターのケイタ。ただ先日の暴漢事件の直後とあって、何となく複雑な心境でアニメを眺めてしまった。
 レースは私の◎ヴィアドロローサが、スタートで真横からジャスパークローネの体当たりを受けて大きく躓き、そこで終わってしまった。もっとも、リアルタイムでは見えず、何があったかは後でわかったこと。
 横山武騎手は「あれがなければ勝っていた」と憮然としていたそうだ。しかもドスローになって、後ろからでは完全に脚を余すしかなかった。レース内容は凡戦で、ここから来年が期待できる馬は現時点では見当たらず。
 2つ外して追い詰められた12Rは、◎キタノリューオーが頑張って上がり最速で伸び2着。馬連54倍で溜飲を下げた。
 
この日は家に直帰できるスケジュール。最終が終わるとはや薄暗く、寒さも忍び寄ってくる。
 テレビがないので早めに仕事に取り掛かれて、時間に余裕はあるのだが、眠くなるのもまた早い。ブリーダーズCの発売開始時刻まで起きていられない哀しき50代。30分前まで頑張ったが、抵抗もそこまでだった。

 

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2021年11月 4日 (木)

10月31日・日曜の競馬

日曜昼過ぎからの小雨という予報だったが、降り出しはやや早く、10時過ぎから小雨、そして正午あたりから雨粒がハッキリ見えるようになり、傘がないと外出できないくらいになってきた。結果的には終日良馬場のままだったが、天皇賞の頃には実質稍重に近いくらいにはなっていたと思う。

 その天皇賞は、まさに名勝負として後世まで語られるにふさわしいレースとなった。後半5F57秒4の凌ぎ合い。これを、決して合っているといえない柔らかい馬場で前受けして先に抜け出したグランアレグリアの強さ、スタートでミスがあって位置取り下げながら、道中冷静に外へ出して、こちらもそれほど合わない馬場を上がり最速で伸びてきたコントレイル、3歳馬にして体幹の完成を窺わせるフォームとパワーで、最も今の馬場に合っていたド迫力のエフフォーリア。3頭それぞれの強さを遺憾なく見せてくれた。
パドックでの仕上がりはコントレイルとエフフォーリアの2頭だけが良く見えて、グランアレグリアは少し気合が抜けて寂しそうに見えたのだが、本馬場に出てからジワジワとスイッチを入れていったようだ。
 
 それにしても、いわゆる3強と言われる構図で、どれもが長期に近い休み明けというのは記憶にない。そういう時代とは言え、さすがに驚く。もはや、前哨戦を使う組と本番直行組との仕分け、それも上下構造を持った仕分けが、グループ内で確立しているということだろう。それを可能にする調教技術や施設があればこそなのは言うまでもないのだが。本番を勝つのが目的、出るのが目的、前哨戦を勝つのが目的などなど、勝手な推測で意図を読み解くのも予想の面白さの1つなのだろう。

 馬券の方は、土曜よりは下がったものの、私が本線で買ったエフフォーリア→コントレイル→グランアレグリアの3連単はなんとか20倍をキープしてくれた。そもそも、3強の組み合わせで一番つかないのが15倍だったから、この3強の3連単はどの目で決まっても実にお買い得だったと言える。均等ボックスでもプラスが出るわけだし、一番脈があると信じた目だけ厚めにすれば飛躍的に配当は増える。冷静に見れば、よほどのトラブルがない限りは割って入れる馬がいない状況なのだから、実においしかった。

 天皇賞が終わって、夕方6時前から雨がかなり強まり、これでもなんとか天は我慢してくれたのだと思う。良いレースを見られた余韻があれば、雨音も心なしか軽い。

 しかしこの頃に、あの悲惨な事件が、頻繁に利用する京王線で起きていたとは・・・。乗客の受けた恐怖を思えば言葉もない。こういう事件があると、すぐに犯人を生んだ社会がどうこうという論評がリベラル論客から出ることが多いが、確かに否定できない側面だけど、そんな高所からのきれいごとのような意見は、事件直後には必要ない。むしろこういう突然の暴挙に対してのサバイバル的な心得、正しい逃げ方をこそ取材して報道すべきだ。

 最後に今週末のスケジュール。
ラジオ日本の解説は土曜。今週から最終週までは、午後後半・14時半から最終終了までの時間帯に担当が移ります。
 YouTubeチャンネルはアルゼンチン共和国杯の買いたい2頭を土曜に公開予定です。
 選挙については、ブログよりnoteに書くかもしれません。

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2021年11月 3日 (水)

10月30日・土曜の競馬

先週末に公開したYouTubeチャンネルは、おかげさまで16万回の視聴を頂戴した。ご出演を快諾してくださった天栄の木實谷場長のお力あればこそだが、実はカメラが回る前に1つエピソードがあった。
私は場長とは初対面なのでご挨拶を述べたのだが、場長は「水上さん、初めましてではないですよ~」とおっしゃってきたので狼狽。どこで会ったかと尋ねると「グリーンチャンネルの〇〇という番組で・・」とのことだったが、私はもう15年以上出ていないので「場長それは人違いですよ」と笑い合うという一幕があったのだ。どうも信じていらっしゃらない様子だったが、そのおかげでカメラが回りだしたところからお互いにかなり和らいだ雰囲気になっていたのである。
ところで場長が誰とお間違えになったのかは聞きそびれてしまったが(もしかしたら私の記憶違いと信じておられる可能性も)、今となってはそれが一番気になる・・・。

 秋の東京も、はや前半戦が終了となる週。土曜は曇りベースながら、東京競馬場からは富士山を望むことができた。この日から入場人員を大幅に増やしたこともあり、かなり活気が戻っている。馬そばは長い列。入場人員を増やしても営業店舗は増えておらず。ファストフードコートやフジビューの麺類コートも半数以上はシャッターが下りたまま。その分、営業店には人が集中してしまっている。ここは改良してほしい。却って密を生んでいる。
そしてフリーの仕事をしている人たちの入場制限が継続されていることは疑問。仕事なのだし、取材対象から距離を取っているカメラマンにも適用されていることは特におかしい。

 東京の芝はBコース替わりでどうなるかと思ったが、時計の出方は開幕週より少し掛かる程度に戻したものの、特に前が有利とか内が有利ということはなく、また好走している馬のタイプはどちらかというとパワータイプ。

 ラジオ日本は7Rから担当。ここは◎〇▲で誰でも取れる堅いところを無難に。8Rは少し捻って◎ドゥラベルデとしたが、反応鈍く5着に終わる。9Rは△◎でなんとか。8番人気の★オーマオが3着粘れたと思ったのに・・・なんとも悔しいクビ差4着。

 このあとはお台場へ。10R以降はラジオで聞いて、局に着いてから映像確認。紅葉Sは◎アオイクレアトールから安いながらもなんとか。アルテミスSは◎シンシアウィッシュが完敗の4着。サークルオブライフの荒削りな強さが前走に続いて発揮された。思っていたより強い。フォラブリューテは逆の意味で思っていたより外見も内面も線が細いようだ。
 スワンSはそろそろ下降線かと思っていたベテラン?牝馬の2頭がワンツー。ダノンファンタジーはマイルCSに行かず阪神カップへ直行すればまた勝てそうな気が。サウンドキアラの復活には驚いた。ルークズネストは直線狭くなって満足に追えなかった。

 先週ブラジルCで助けられた資金がこの日は目減り。明日に挽回が懸かるプレッシャー。競馬予想TV内で買った馬券次第だろう。お台場から帰宅後チェックした天気予報は、朝よりも日曜の空が悪化しそうな感じに・・・。

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