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2022年5月24日 (火)

オークススタート前の件について

ちょっと遅くなったが、オークスのことだけ先に。
来月発売の「競馬の天才」の連載に、大観衆が戻る直前に思うこととして、正常化への通過儀礼のような感じのアクシデントが起こることへの危惧を書き、「オークス、ダービーで何事もないことを願う」と結んで金曜に送ったばかりであったが、その最たる例(と決めつけることもできないのは承知。雰囲気だけが原因ではないのはいうまでもないが、それも一因なのもまた確かだと思う)が発生してしまった。

 例の放馬ばかりが騒がれているが、その前にホウオウバニラの件もあった。横山典騎手がロデオ状態になったものの、何とか宥めて一度下馬、馬を落ち着かせて再騎乗。
その10数分後に、蹴り癖のあるリボンを付けたラブパイロ―が、何を思ったかサウンドビバーチェの顔面を蹴り上げ、サウンドは驚いて放馬してしまった。行為自体は悪癖だが、それを出した理由は興奮したからと考えるのも無理筋ではないだろう。

 無人、あるいは静か気味の競馬しか経験していない現役馬が大半、特に今回は若駒の牝馬だ。また観客も歓声を挙げてしまうのは仕方ないところで、誰が悪いと言うこともない。むしろ観客は出来る範囲で抑えていたと思う。あの醜悪な、「オイオイ」のコールもせず、拍手だけで対応していた。
 
 問題があるとしたら、主催者側だ。私はこの日は在宅競馬だったので、確実にそうだとはいえないのだけど、テレビやラジオから、場内に流れているスタート前の盛り上げ映像の声が集音マイク経由で入ってきて、話し手の声に被せるくらいの音量で聞こえてきたのだ。もちろんそれに呼応して、観衆の「オオーッ」というどよめきや、映像の都度の拍手などが起こった。その直後のアクシデント。

 まあ、直結したとは言わないまでも、大声を出すのを控えるとか、マスク着用を義務とするとか、来場者に制約を強いている状況なのだから、コロナ禍前と同じような盛り上げ演出をする必要があったのかどうか、JRAにはぜひ検討してもらいたい。それでなくとも、数万人のうねりを初体験する馬たちばかりなのだから・・・。

 さらに、放馬した馬を掴まえたあとの検査体制にも改善の余地があると思われた。ルールなのだろうが、向こう正面で捕まえた馬を、スタート地点まで曳いてきて、そこからはあっという間に検査終了。10分近くが馬の歩行時間であった。これなどは、馬体を検査する係も馬の方へ向けて歩み寄っていけば、所要時間は半分で済む。今回は外傷だから目視で早く判断できたけれど、いわゆる暴走疲労だけなら心拍数チェックなどをするから、もっと時間が掛かっていたはずだ。

 本来は、放馬した時点で、いくら心拍数が問題なくても、他の馬とは状況が変化したわけだから、公正というか、公平競馬の視点からはこれが崩れたともいえる。だから即除外という声が出るのも分からないでもない。今回もそう唱えているファンもいたようだ。ただこれが難しいのは、考えたくないことだが不正へつなげるケースも無いとは言えないからであり、厳格化を思えば現実的ではない。現行の、検査を経ての手順しかない。ただ、その手順の迅速化に改善の余地があるということだ。

 さらに、こういうことがあると「これも競馬のうちだから」のような論旨で収めようとする識者もいるのだけど、それはそれでまた的外れだ。落馬とか、出遅れとか、進路がなくなったとか、その手のアクシデントならまさに「それも競馬のうち」だけれど、ゲートが空く前の問題は、人為的に改善が可能である。「これも競馬のうち」とうそぶいていても、何の解決にもならない。

 関西で怒り沸騰だったと聞く実況ブツ切れの件はさておくとして(苦笑)、煽りにつながる演出のことや、除外決定までの手順の見直しなどの検証は、ぜひともしてほしいものだ。

 

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