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2023年7月

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2023年7月31日 (月)

7月29日・土曜のこと(競馬前)

7月28日の金曜は、正午ごろ家を出て新潟へ向かう。東京駅の人出は見た感じ、前週の1.5倍くらいに感じた。ホームには上越、北陸、東北の新幹線が次々と出ては入ってくる。特に大人気で行列が長いのは北陸新幹線だ
 私がこれから6週使う上越新幹線、この日は大宮で自由席が満席状態に。その6割くらいは越後湯沢でどっと下車。フジロックに2日目から参加する人たちも少なくなかったと思う。

 もう20年近く毎夏通っているが、ビッグスワンの屋根が右の車窓に見えた途端、新潟に来たという気分が高まってくるものだ。そんなお馴染みの風景が変わりつつあるのは新潟駅。ここ2年工事が続くが、1年経っても思ったほど進んでいなくて、万代口はかなり使いづらい。駅の中もだいぶ変わってしまい戸惑う。
 晩飯は「鯛屋」で鯛の刺身、いかの陶板焼き、鯛茶漬けに焼酎少々。こちらは久々に通常営業形態に戻っていた。

 翌朝は9時半頃に競馬場へ向かう。全長900mを超える阿賀野川大橋を渡る。これも毎年、飽きない眺め。
 ところが、この後にやや憤りが。私は入場制限が掛かっていない限りは、入場料を払って一般の入り口から入ることにしているのだが、この日から新潟競馬場は当日の現金入場券売り場が完全無人化となったのだ。この時代だからキャッシュレス化は当然の流れなのだが、問題は動線設定の拙さだ。

朝から暑い中、屋根のないところへ並ばせるのもどうかと思うのだけど、当初3列に分かれて並ばせているのに、これを途中からわざわざ高速の合流のように一列にさせて(しかも合流させる旨のアナウンスがなく、割り込みと間違えて混乱がチラホラ)、その一列をヘアピン状に折り曲げさせた挙句、5台ほど設置された券売機へひとりずつ誘導するのだ。それが2台ほど柱の陰になっている上に、1台ずつ仕切られているので前の人が終わったかどうか客も係員も視認しづらい箇所があり、空いた機械への誘導がモタつき、捌きのテンポが悪い。
 おまけに機械のタッチパネルの反応や画面の切り替わりが鈍く、スマホやATMに慣れた我々にとっては実にストレスフル。これでまた時間がかかり人が捌けない。結局入場前に20分近く並ばされた。

 機械もそうだが、最悪なのは3列を途中から1列にする意味のないシステム(というか、最初から1列だと列が長くなりすぎると思ったのかもしれないが)。最初から機械の前に台数分の列を並ばせて捌けば何倍も速くなるはずだ。
11時頃以降に来場した人には、このイライラは無かったと思うが、1R前から入場したい人には最悪のシステム、一応係員にこの動線はマズイと伝えておいた。まあ初日で慣れないところもあったのだとは思うが、シミュレーションが甘いことは否めないと思う。
この他にも目に付いた件が、客捌きについていくつかあり、これについては改めて雑誌の連載の方でまとめたい。とにかく、無人から有人を再開した時の中山競馬場や、ダービーや天皇賞など「超GⅠ」当日の東京競馬場のスタンド内など、JRAの決める客動線については首をひねらされることが多すぎる。
本題前で長くなったので、競馬については次回。なお競馬場内のイベントやレースはとても楽しめるものだった。

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2023年7月27日 (木)

7月23日・日曜の競馬など

 暑さのためというよりも、外から冷房の効いたところに入って、また出ての繰り返しによる温度差で、毎年のことだが自律神経がおかしくなる。今年もそろそろ症状が出てきていて、特にこの2週間、耳鳴りが通常よりかなり大きくなってきた。朝起きるとさほどでもないのだが、時間と共にだんだん大きくなる。これはうまく付き合っていくしかない。自営業の特権?の昼寝を小一時間程度、できれば取るようにしてはいるが。私の場合根が鈍感だから、耳鳴りがうるさくて眠れないということはないのが幸い。

 先週日曜は、自宅でサワー呑みつつ競馬観戦。中京6Rのサーマルソアリングには、誰もが目を見張ったことだろう。そのまま3勝クラスで通用する時計だし、近い将来は重賞にも手が届くのでは。この馬だけでなく、先週の中京では芝ダート共に、派手な勝ち方をする馬が目立った。
 
 この日の中京芝は、時計はそこそこ出ていても、内がだいぶ荒れてきて、後半のレースになるに連れ、馬場の真ん中へ持ち出しての差しが目立ってきた。それを意識してか、メインの中京記念は有力馬の騎手が構えすぎたし、本命にしたルージュスティリアは、さらに勝負どころで大きく躓くアクシデント。逃げたセルバーグはその傾向を逆手にとった。松山騎手はスタートから熨斗をつけてハナへ。これは最初から決めていた逃げだったはず。エピファネイア産駒の古馬になっての重賞勝ちがたぶんこれで3例目?促成しすぎない馬なら、成長力だってあることは徐々に証明されてきたのは良き事。しかし自分の馬券は沈没、勝ち馬は全くノーマークだった。

 個人的に悔しかったのは福島メインの安達太良S。エリモグリッターとチェイスザドリームの2頭軸の3連単588倍を200円持っていたから・・・。本命エリモが4角で離されてしまい、直線盛り返してきたが4分の3馬身届かず。60キロの斤量で消したデュアリストが肝心の所を踏ん張れて、エリモがもたついたのは格の差といったところなのか・・・。これにて馬券は終結。

 その後は相撲へ。看板力士こそ何枚か欠いたが、優勝争いは興味の尽きない名古屋場所だった。結果を分けたのはメンタルの強い順だったように思える。
 復帰し幕内上位まで上がってきた朝乃山は、途中休場がありながら勝ち越した。珍しい富山県出身の力士。相撲好きだった亡父は、故郷が同じということで晩年かなり応援していた。
そういった感覚は私にはない。学校が同じとかいうならともかく、出身が同県(市でも)というだけで応援するという気持ちにはさらさらならないのだが、こちらの方が異常なのだろうか(もともと、帰属意識というものが欠如している)。
ただ、同郷人の活躍を理屈抜きで好ましく思える、応援したくなるということは、その人だけでなく、それだけ故郷に愛せるファクター、たとえば美しい風土や、良い記憶があるということなのだろう。それはそれでとても羨ましいことだ。今はもう帰省先も無くなったが、夏、地元云々と言えば象徴の甲子園の予選も佳境の今、お盆を前にそんなことを思ってみた。

最後に週末の予定。
今週末からいよいよ新潟開催へ。土曜のラジオ日本は午後後半を3週間担当。14時半から最終までとなります。この3週間は競馬予想TVには出られません。
YouTubeチャンネルは、日曜午後2時半すぎくらいから生配信をやります。

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2023年7月25日 (火)

7月22日・土曜の競馬

 金曜は福島へ移動。4時半頃到着。雲が多く、風も強めでかなり涼しかった。夕飯はホテルの下の居酒屋で済ませた。
 翌日は、今夏土曜の開催日で最も青空の範囲が広がった。気温も上がり、スタンド前にいると夏競馬の芝の草いきれが漂っていたが、午後から風が強くなる。
 朝は「赤井」でカレーライス。おやつ用に凍天を買ってラジオ前室へ。

 ラジオ日本だから、演歌のスポットCMがよく流れる。驚くべきは大川栄策の新曲。自分が高校に入ったあたりに大ヒットしていた歌手がまだ歌えていて、しかも声があまり変わっていない凄さ。調べたら74歳、ということは、さざんかの宿とか唄っていたころは30歳になったばかりくらい。いやあ、息の長さもそうだが、当時のあのルックスでそんなに若かったのかということにも驚く。「ザ・ベストテン」でタンス担いでいたなあ。

 担当は7から9R。7Rは△〇▲でハズレ。本命オールアイズオンは、ただ回ってきただけという感じ。月曜発売の競馬ブックでは「夏負けのように感じた」とヨシトミがコメントしていた。
 8Rは堅いところを的中。10番人気リゼレインボーも推していたので、クビ差4着は惜しいところ。9Rは無▲◎でこれはどうしようもない。

 終わって飛び出しでタクシー乗り場、帰京へ。広告料収入が得られるからいいのだけど、福島のタクシーにも、東京のように後部座席の正面にIT系のPR映像を流すミニビジョンが付いてきた。あくまで個人的な意見だけど、視界が圧迫される感じがするし、前の景色は見えないしで、このビジョンは嫌いなのだ。単にへそが曲がっているだけだろうが・・・。

 タクシーと言えば、東京駅の乗り場は思ったより列が延びていたのだが、その半分近くは外国人だった。搾り取られて日本庶民の購買力が落ちているだろうし、以前のようにインバウンド消費は日本の商業界においては支えの1つに戻っていくのだろう。カンフル剤にはなるのかもしれないが、長期的視点に立てば、日本国民の、しかも庶民の経済状況が好転しない限りは根本的な解決にはならないはずだ。

 フジテレビへ移動し競馬予想TV。深夜帰宅。
・・・とこれを書いた今、ちょうど阪神が横田慎太郎さん追悼試合を勝利で飾った。大山がホームランの後にヘルメットを夜空に掲げ、岩崎投手が最後を締めくくったあと、天を指差した。胸に迫る。

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2023年7月21日 (金)

雑記

この木曜、金曜の東京は、午前11時くらいまでは少し暑さが和らぎ、北寄りの風も吹いて、いくらか凌ぎやすい。しかし来週はなんでも10年に1度レベルとかの猛暑がやってくるとのこと。ここ数年、夏の暑さは7月に集中してしまって、8月が涼しくなることが多いのだが、今年はどうなるのだろうか。

★17日の月曜は、もしかしたら今年で新庄監督が辞めてしまうかもしれないので、ベルーナドームへ初の日本ハム戦観戦へ。次にベルーナに来るのは9月末の週末でスケジュール的に無理、今年はもうここしかチャンスがなかった。
初回にマルチネスの2ランが出て、9連敗が止まる記念すべき日に立ち会えそうだと喜んだのも束の間、鈴木投手が堪えられずボコボコに打たれて大敗。負けているからではなく時間の都合により、6回終了時点で席を立った。最初からその予定。

 ベルーナドームに行ったことのある方はお分かりだと思うが(多くないだろうけど)、外野席の上に延々グルメの出店が並ぶ通路がある。そこを渡ってトイレへ行った時に、通路にある、ガイドの女性が控えるボックスから、大きな悲鳴が聞こえた。女性のガチの悲鳴を近くで聞いたのは初めてなので、思わず身構えたし周囲も凍り付いたのだが、次に発せられた言葉が「ゴキブリー!!!」なんとボックス内に現れたようだ。
たまたま近くを通りかかった巡回警備員が駆け寄ってきたのだが、事の次第が分かって苦笑いしつつ扉を開けてゴキブリを追い出していた。殺虫剤もないだろうし、逃がすしか手はなかっただろう。周囲には笑い声もチラホラ起きていたけれど、件の若い女性ガイドは半泣きで警備員や、次々とやってきた係員に平謝りしていた。2人入ればいっぱいになるくらい狭いボックスだから、至近距離に出現したことを思えば確かに気の毒ではあったけど、面白いものを見られたといえば見られた。

 そして外へ追い出されたゴキブリにより、今度は近くにいた別の観客女性が逃げ始めるという二次被害。ドームとはいえ屋外みたいな構造だし、食べ物店が回りにたくさんあるしでは、仕方ないところ。
自分ももちろんゴキブリは気色悪いし、部屋に出たら心理的にダメージは受けるのだが、人はなぜゴキブリをここまで嫌うかは、いろいろな視点から研究材料になるのではないかとふと思った。やらないけど。

★先日バスを待っていて耳にした、老婦人2名の会話。安倍元首相殺害から1年という話だったのだが、どうも彼女たちには「統一教会=ワルモノ」「ワルモノだから殺人を犯した」つまり「殺害犯人は統一教会」という摺り込みが出来上がっているようなのだ。まあある意味正しいといえば正しいと言えないこともないのだけど、ご存じのように統一教会に人生を壊されたことを恨んでの犯行であり、彼女たちにはそこのひと捻りがあまり理解できていないようである。
確かにあの事件の直後、若い世代には統一教会の存在すら知らない人も多かったし、自分もけっこう説明したものだった。芸能ネタの範疇だけで語られた集団結婚式や著名人の教会からの奪還劇がワイドショーを賑わせたのを知っている人でも、もう40代中盤以上だし、大学でアヤシイ勧誘を行ったり、学友会と対立して自治を乱しまくったりしていたのを日々目撃して、権力との結託を実感していた世代も60代前後。

 あれから1年、パンドラの箱の蓋が開いたような事件ではあったけれど、なかなか浄化の道程は進まない。マスコミの力が重要なのだが・・・。

★18日は自分のサイトの会員さん向けの動画撮影、2歳戦について少ししゃべった。19日は「競馬の天才」連載の原稿。そんなことをしているうちに、あっという間に週末になろうとしている。なおYouTubeチャンネルは、30日の日曜午後に生配信を計画している。
競馬予想TVは今週出番あり。次は3週空くし、サマーシリーズは最初の出番でプラスを出すのがとにかく重要なのでなんとかしたいところ。ラジオは今週までが午後前半、13時から14時半の担当である。

 

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2023年7月18日 (火)

7月15,16日の競馬

先週、東京は連日猛暑が続いた。12日は所用で表参道に行って、これは大変な暑さと参ったものだが、今から思えばまだましな方。翌日以降は、天気予報で言われている「危険な暑さ」とはこれか、と納得した。

 14日は午後1時頃に家を出て福島へ移動。東京は相変わらずの暑さも、福島へ着いたらなんと涼しい。翌日は風も出ていて、冷房の効いた室内では上着が欲しくなるくらいだった。
 福島での夕飯は、去年も訪れたエビチリが有名なシエルドラゴン。今年もエビチリ、それから中華サラダに春巻きを注文。どれも大満足。

 ホテルに泊まると、枕が違うせいかよくくだらない夢を見るのだけど、この日は本当に意味不明。夢の中でもホテルに泊まっていて、なぜか床のじゅうたんにシミが広がってきた・・・と見る間に、ビールの泡がどんどん湧いてきて、パニック状態になるというものだった。もちろん夕飯で飲んだビールが原因なのだろうけど、なぜ床に?
 これで目が覚めてしまってなかなか寝付けず、やっと意識が無くなったと思ったら、今度はオーディションを受けるという訳の分からない夢を見た。何のオーディションかは分からない。これは理由に見当つかず。ちなみにこれまで人生でオーディションというものを受けたことは無い。番組制作会社の入社試験が最もそれに近いか?

 翌日は小雨、路面にはいくつも水たまりがあり、夜中にはけっこう降った模様。移動の際には傘はなんとか無くて済んだ。肌寒かったので、競馬場で暖かい蕎麦を食べて活力を上げる。
 私のラジオの出番は7Rから。その前から雨は止んでいて、雲の中に薄く陽が漏れているところもあったのに、JRAの発表はずっと雨のまま。9R直前になってようやく曇り発表となった。さすがに降ってないものは降ってないののだから、放送中にも2回くらい「発表は雨だけどとっくに止んでいる」と指摘しておいた。スタンド前の観客も誰一人傘を差していなかった。この日のレース結果を後で見直した時に、馬場や時計の出方の回顧を間違えないようにしなければ・・・・。単に変更を忘れていたのではないだろうか。

 7,8Rは買えない馬が2着、9Rでは1着にまで来られてしまった。メインレースの予想までしてこの日はお役御免となったが、メインは△◎★で決まってくれて何とか。
 そのメインが終わって帰路へ。東京駅はモワッとする暑さ。午後4時の福島駅前は24度を表示していたので、2時間程度の間に気温が7,8度は上がったわけで、だるさを感じる。こういう時は身体を動かすのが自分の場合は一番の解決策で、帰宅するやストレッチをして血液を回し復活。

 日曜は午後から東京競馬場のメモリアルスタンドで。この日の府中は、午後1時の時点で関東の最高気温をマークし38度へ届こうかというくらい。コンビニで買った缶ビールはすぐに空いてしまい、その後はなぜか日本酒のロックを呑みたくなって、売店で氷を入れてもらう。自分にしては珍しいことだが、体調復活の勢いか、全く酔いが回らず。

 馬券は午後前半は宜しくなかったが、名鉄杯では堅めとはいえ本命馬が勝ち切ったし、3着ニューモニュメントがなぜか嫌われて6番人気だったのでまずまず。まとめていろいろ取れた。

函館記念。今年は巴賞が例年になくメンバーと頭数が揃ったし、けっこう強い馬がワンツーしていたので、今年はさすがに巴賞上位馬即消しのデータが崩れるか・・・という思いもよぎったが、終わってみれば今年もやはりダメ。中1週での連続3着内するのは、相当キツいということを改めて思い知る。アラタ、ドーブネクラスでこれなのだから、もう鉄板通り越して鉄則である。

肝心の馬券は、消したブローザホーンが3着に来てしまったが、馬連とワイド、単勝をゲット。ローシャムパークが4倍付くなんてことはしばらくないだろう。
福島最終の馬連はタテ目を押さえたら、20倍ついてくれたおかげでマイナスにはならず。自信のあった土曜の函館2歳S、ロータスワンドが何かあったのかというほどひどい下がり方で大惨敗したことによる土曜の負けを、なんとか埋めることができた。

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2023年7月13日 (木)

PANTAさんのこと

今でも、あの時の革ジャンの匂いと、差しだしてくれた手の感触が朧げに残っているように思える。1987年4月にラジオ番組の制作会社に入った自分にとって、初めてのインタビュー相手だった。
 
その年の確か夏直前くらいだった。月金ベルトの音楽情報5分間が、初めて担当した番組。当初は私の大先輩がインタビューをするはずだったが、都合がつかなくなり、私に初取材が回ってきたのだった。もちろんレコード会社ビクターのT氏、PANTAの事務所のH氏には話を通してくれていたようだった。

私と言えば、なにせ高校3年生の頃に、前年にリリースされていたソロアルバム「1980x」で知って衝撃を受け、そこから遡って、ソロ作品はもちろん、当時はまだ発売禁止が解けずに入手困難だったアルバムが多かった頭脳警察作品から、流通していた後期の2枚程度を田舎の貸しレコード店で見つけて聞きまくっていたし、さらに喧伝されていた禍々しい伝説は、自分の中での神格化につながっていたかもしれない。しかも、初めてのインタビューだから、それでなくとも構えてしまうのは当然だ。ガチガチに緊張、いやむしろ畏怖する素振りの自分を見て、おそらくそれが伝わったのだろう、PANTAはまずニッコリと笑ってくれて、握手を求めてきたのだった。
「聞いてるよ。新人なんだってね。何でも訊いてもらっていいよ」

あとのことは、残念ながらあまり覚えていないのだ。当初のリリース予定を白紙にして、何度も撮り直した大傑作アルバムにして問題作となった「クリスタルナハト」。そのリリースインタビューに、こんな若造が来たことをどう思ったのか、本当の所は分からない。しかしただ1つハッキリ覚えているのは、とにかくPANTAが笑っていたことだ。

直接取材をしたのは、それを含めて3,4回だったか。もちろん後になるにつれて自分も慣れたし、いたずらに取材相手に萎縮するのはむしろ失礼にあたるのだという悟りもできて、以降の何年間は顔も覚えてくれていた(と思っている)。
とにかく相手を差別も区別もしない人だというのはすぐわかったし、あの暖かさがあるから、とにかく人脈が広かった。その優しさゆえに、弱者をいたぶる権力には毒を吐きまくった。
差別も区別もしないから、野村秋介や見沢知簾といった右翼活動家の頂点から、極左の塩見孝也まで親交があり、文字表現の分野では橋本治、寺山修司、平岡正明、末井昭・・・・。一水会の鈴木邦男とは思想ではなく格闘技ファンとして接点ができたらしい。みうらじゅんや大槻ケンヂ、リザードのモモヨとは特に深い付き合いがあったし、意外な所では桑田佳祐や藤井フミヤといった超メジャー、若いところではアイドル声優の上坂すみれ。
またJAGATARAの江戸アケミは、実は頭脳警察に刺激を受けて音楽を始めたという証言もある。たしかアケミの葬儀にもPANTAは来ていたはずだ。そして、最初は敵対派閥ながら、すぐに最大の理解者となった鈴木慶一。PANTAとつながりがあった人たちは枚挙にいとまない。

政治的な音楽活動をしようと意図したことはなく、自分にとって最も切実なものを曲にしたらこうなったと語っていたPANTA。ただ、それだけならただのアジテーターで終わっていたはずだ。ミュージシャンとして彼を存在させたのは、その意外なほどポップなメロディーラインの作り手だったこと。もともと、B級GSのメンバーとして売り出されようとしたくらいだし、フレンチポップスが大好きというところもあって、そうしたもろもろの相反する要素が不思議と無理なくというか、調和して一人の中に存在していた。当時は分からなかったが、曲を聞きまくり、自分も年を重ねた今ならそんなありようが見えてくる。
渋谷ライヴイン、新宿のロフト、パワーステーション、渋谷公会堂・・・90年代に入っての頭脳警察再活動では、とにかく行けるLIVEには極力足を運んだ。怒声、罵声が飛び交う殺伐とした空間が非日常感を掻き立てて、とにかく爆音とシャウトが、10年後訪れる世紀末への警告となって発せられた。

私が放送業界を離れてからは、直接姿を見ることはなかったけれど、活動は追っていた。今は分からないが、私の世代あたりは、サブカルチャーに自分の人格や進路を決められてしまった人は少なくないのだが、自分もそれに漏れていない。PANTAはたけしやRC、YMО、アケミやミチロウらと共にかなりの部分を形成してくれたし、価値観の紊乱者として脳をかき回してくれた。

ゆっくり休んでほしいという気持ちはもちろんあるが、やはりあのステージでの姿を見れば、黒い革ジャンでは三途の川は渡れないはずだから、いつまでもこの嘆きしかない世の中を霊として徘徊し続けて、時折脳裏に歌声を響かせてほしいとも思う。いやあ、でも少し早かったなあ、PANTAさん。

本当はもっと書きたいことはあるのだけど、ブログだからほどほどにしておく。

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2023年7月11日 (火)

7月8日・9日の競馬

 昨日(月曜)の府中は、全国で17番目に気温の高い都市だったそうだ。そういえば、午後2時過ぎにコンビニに競馬ブックを買いに行った時、途中で誰ともすれ違わず、店内には店員以外誰もおらず。ほぼ無音で、暑さがのしかかってきた。
 今日も同じく酷暑だが、月曜よりはわずかにましか。昼下がりに救急車のサイレンを2度耳にしたのはおそらく熱中症だろう。

 涼しかった土曜の福島競馬、ラジオ担当は7Rから。本命グランツグリーンは3着。8Rは馬連タテ目も押さえたところに、消したリュクススティールが割り込んできた。本命ビターグラッセは馬体重を大きく減らしていて完全にデキ落ち。9Rは本命トモジャシーマが3着。なんとも煮え切れない結果。

 個人的予想では、自信のあった中京メインのセレッソが惨敗、これはちょっと分からない。その前の10R、圧倒的人気のサンライズフレイムが勝ったのはいいのだが、人気薄ミセスバローズは3着までと決め打って馬連買わず、3連複は3列目が2,3着では取れず。ボコボコにやられてしまう。
 
この時間帯のレースは、9R終了後競馬場を発ったので、福島駅で新幹線を待ちながらラジオで聞いていた。新潟競馬だと、今はBSNのほとんどの中継はラジオNIKKEI受けなのだが、福島ではラジオ福島が他場中継のみラジオNIKKEIを使い、福島のレースと進行は自前で放送している。別にNIKKEIがどうこうではなく、地元のレース中継を地元局が制作しているのは良いことだ。

 東京駅へ到着すると、福島より数度は高い不快な気温。さらにお台場へのタクシー移動、なんと運転手がフジテレビの場所を知らず、ナビを入れたらとんでもない経路を取ろうとするという、今でも信じられない驚きの事態となり、私が自ら口頭で案内しながら到着というありさま。力が抜けて怒る気にもならず、むしろ面白がってしまったが、本番前にどっと疲れたのも事実。
 
 日曜は自宅競馬。福島4Rでは枠連の史上最高配当が飛び出す。この時季の3歳未勝利戦は、どこの場でも突然大魔境と化すことがよくある。
 
午後も不調。信頼していた福島9Rのエリダヌスや、中京メインのジレトールが大崩れしてしまった。七夕賞も馬連ボックスみたいな買い方をすれば引っ掛かったと思うが(ククナは穴で推奨していたし)、本命のエヒトもさることながら、実質的には最も信頼していたフェーングロッテンが、あんなに行けないとは想像できなかった。松若騎手によれば押してもなかなか動いていかなかったとのことで、デキ落ちだったのだろう。この時季の競馬の怖さでもある。

 中京は夏恒例のアジア競馬ウィークだった。シンガポールTC賞は、来年からは無くなってしまうわけか・・・。

 自分は土日とも全く良いところなし。慰みに見ていた相撲も、何となく私的には盛り上がらず。ただ疲れただけでなんの収穫もない週末だった。

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2023年7月10日 (月)

7月7日・金曜日のこと

 数十年に一度という警句が毎年飛び交う、近年の日本の気候。大雨により九州北部をはじめ、災害発生の恐れがある地域の方々の安全を祈る。

 この金曜から土曜にかけては、体力的に情けない話だが、自分としては今夏で最もヘビーな週末だった。金曜は午前10時から採血スタートの東京女子医大病院・定期検査予約の日なので、朝8時半すぎにキャリーケース引きずりながら移動開始。朝から暴力的な暑さと陽射し。
四ツ谷駅からタクシー移動すればいいと軽く考えていたら、四ツ谷口にはもうタクシー乗り場がなくなっていた。仕方なく新宿通りを渡り越してタクシーを拾おうとするも、平日昼間の駅前なのに空車が走ってこない。これには焦った。駅の反対側にはおそらくタクシー乗り場があるのだろうけど、この暑さをケースを引いてそこまで歩きたくなかった。いくら来ないと言ってもそのうち・・・と思っていたら本当に来ない。諦めかけて、駅反対口まで歩こうと決めたその瞬間、空車ランプが見えて必死に手を振り乗車。今から思うと、これで週末の運を全て使ってしまったのだろう。

 運転手に聞くと、今はほとんどアプリ中心の配車となって、街中を流すことが減っているとのこと。人員削減や燃料費節約のための台数減で、効率優先なのだそうだ。私は完全に時代遅れだ。
 診察を終えてまた四ツ谷駅へ戻り、東京駅へ移動して福島へ。新幹線は9割近い乗車率。福島の駅前は東京よりさらに暑く、空気が重い感じ。先週は忘れていたが、夏の福島おなじみの駅の馬の等身大オブジェが今年はないのが寂しい。

 夜は有名な「餃子の照井」を狙っていたのだが、開店時刻を30分過ぎた夕方5時半の時点でもう10名以上並んでいる。さすがにこの暑さの中で並ぶのは嫌なので、諦めて近くの中華店「石林」へ。蒸し餃子3つ、麻婆豆腐、ザーサイ、エビチリの各小皿に、グラスビールが付いたセット、これは当たり。
 この時点では、福島の天気予報は夜半から雨となっていて、土曜は日中降るとのことだった。ところが翌朝外を見ると、薄日の差す曇り空で、道路には小さな水たまりはあったが道はほとんど乾いていた。競馬場に移動するとダートは表面が白く、雨の影響はほとんどなかったように思える。

 何より驚いたのは、金曜とうってかわっての涼しさ。ジャケットがあってもいいくらい。中から活力を上げるべく朝はファストフードコートでカレー。
午前は無風も、午後からだんだん直線向かい風が強まっていき、本当に上着がほしくなった。一応気温は24度なのだが、風のために体感はそれより何度か低く感じた。

 前夜にPANTAの訃報を知り、テンションも低め。彼については後で書きたい。本当に今年の訃報の多さはどうしたことか。
 
 本題に入るまでが長くなってしまったので、競馬については次回まとめて。

 

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2023年7月 5日 (水)

7月2日・日曜の競馬

九州のことを思うとこんなことを書くのもどうかなのだが、東京は多湿であっても、雨の降り方が短時間かつ局地的で、およそ梅雨らしいものではなく、しかも暑いし、もう夏本番・・・というか、私たちの概念の夏とは別種の季節が居座り始めたように思えてならない。

 ツイッターでチラホラとヤモリ出現情報を目にする。我が家でも玄関の外の窓枠の上に発見。数年前には室内に現れて、10日間くらい同居した末に逃がしたことがあった。ご存じのようにヤモリは実に愛嬌がある形をしていて、眺めるとニヤついてしまう。ただそれも束の間、翌朝はもう姿を消してしまった。

 先週は、レース名を漫然と見ていると、コースを間違えてしまうようなケースがいくつもあった。白川郷Sといえばダート1800mのイメージだったのに、今年は芝マイル。鶴ヶ城特別はダート1150mの2勝クラスだと思っていたら、鶴ヶ城ステークスになってダート1700mの3勝クラスに。そしてさくらんぼ特別は芝1200mからダート1150mへ。変えることには理由があるのだろうし、対応できない方が負けなのは分かるが、現実を扱うのとは違う視点というか、レースにまつわる空気感とでもいうべきものが1回リセットされてしまうのが、何となく悲しい。

 そんな横道に逸れたことで文字を稼いでいるのも、日曜の競馬が振り返りたくもない成績に終わってしまったから。自宅のPAT競馬だと煮詰まるばかり。特にラジオNIKKEI賞はショック。レーベンスティールには気の毒なレースになってしまった。馬がかわいそうになるまさかの3着、これでは秋にトライアルに出るにしても抽選対象になるおそれがある。かといって夏もう1戦はしてほしくないし・・。
 CBC賞のマッドクールは惜敗ではなく惨敗、これにも驚いたが、時計も相手関係も、先着されるはずのない馬たちに負けていることを思えば、まともな状態ではなかった(暑さ?)ということだろう。こちらもスプリンターズSには黄信号。セントウルSあたりで賞金を積まないと厳しいか。ただ馬のタイプとしては高松宮記念の方が向いている気もする。

 起死回生を期した中京12Rは、テイエムフェローにぶち抜かれて終わる。ビーストアタック、ダノンセシボン、スペシャルナンバーなら大本線、一気に日曜分は取り返せたのに・・。美酒にしようと冷やしてあったレモンサワーはヤケ酒に変身、不貞腐れる。

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2023年7月 4日 (火)

福島競馬開幕

今年は福島開催でラジオの担当が午後前半担当、これはかなり久しぶりのこと。それもあって、今年は福島も前乗りすることにした。
 金曜はどんより曇り、たまに小雨。暑さはあまり感じなかったが、湿度がまとわりつく感じ。雨がいつ強く降るか分からなかったので、夕飯はホテルの下にある居酒屋で済ませる。湯葉と焼き鳥メイン。焼酎ロック。

 土曜、起床した6時過ぎは本降りだったが、その後次第に弱まって、チェックアウトした10時過ぎは日が差してきた。タクシーで移動、一般入場口から入場料を払って入り、手荷物をクロークに預けて、前室入りまでの1時間半くらいを過ごす。
 まずは朝兼昼飯、3Fの食堂「赤井」で。毎年1度は食すここの生姜焼き定食。豚肉はもちろん美味しいのだけど、一緒に炒めてある玉ねぎやピーマンなど野菜のシャキシャキ感が嬉しい。
 で、ここの食堂には朝からビール飲みつつ、よく日に焼けた初老男性数名が陣取るのも例年の常(同じ方々ではないと思うのだが、毎年そうなのだ)。別に揶揄するのではなく、現地の方同士の会話は本当に聞き取れない。いろいろな所に行ったが、ここまで分からないのは他に沖縄のみ。これを耳にしないと福島に来た気がしない。そして堅い配当に怒っているのも例年通り(笑)。

 デザートにソフトクリームを食べつつ4Rまで見て、てちょうどいい時刻になり前室へ。出番は7Rから。7Rは本命ブラックヴァールが5着に終わる。8Rはマスグラバイトがまさか連対を外すとは思わなかった。9Rの開成山特別はヒモ2頭が1,2着、本命は3着。
 開成山特別といえば、オジュウチョウサン出走で土曜の福島が大混雑となったレース。つい2,3年前のことかと思っていたら、なんと5年前だった!早すぎる。そして自分の記憶の杜撰なこと。

 出番が終わってから、今日はお台場へ向かわなくていいので、メイン後までスタンドで楽しんだ。小腹が空いてきたのでご当地スイーツの凍天、そして「七夕賞」とネーミングされたカクテル、それだけでは物足らなかったのでハイボールも。
 メインは本命リリーミニスター逃げ切ってくれたのだけど、2着のカズプレストが抜けてしまった。

 この日は一番自信があった函館メインのイルクオーレがまさかの4着に終わってしまい、馬券は惨敗。旅とグルメがなかったらかなり悲惨な気持ちで帰らないといけないところ。

 続きは次回に。

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